国土交通省港湾局長 稲田雅裕氏

  • 2025年1月10日

 年頭にあたり、謹んで新春のご挨拶を申し上げます。平素より、港湾行政の推進にあたり、格別のご理解とご協力を賜り厚く御礼申し上げます。また、国民の命と暮らしを守り、我が国の経済活動を支えるため、献身的に職務を遂行されている港湾関係者の皆様に、重ねて敬意と感謝を申し上げます。

 令和6年能登半島地震の発災から早や1年が経ちました。被災された皆様に、心からお見舞い申し上げます。多くの港湾で甚大な被害が生じました。発災直後の応急復旧により、求められる港湾機能は確保しましたが、被災地の復興のためには、本格的な復旧工事を着実に進めることが必要です。地盤が隆起した輪島港や、背後に広がる温泉旅館も大きな被害が生じている和倉港等、被災した全ての港湾で、速やかに復旧工事を進め、地域の経済を支える生業の再建に貢献してまいります。

 昨年末、港湾分野における地域からのご要望を盛り込んだ令和6年度補正予算が成立するとともに、令和7年度当初予算が閣議決定されたところです。税制改正につきましても、要望していた特例措置の延長等が認められました。関係者の皆様のご支援、ご協力に改めて深謝する次第です。

2.内航フェリー・RORO船ターミナルの機能強化
令和5年10月に決定された物流革新緊急パッケージにおいて、内航フェリー・RORO船等の輸送量・輸送分担率を今後10年程度で倍増する目標が定められたところです。港湾局としても、船舶大型化等に対応した岸壁整備や、荷役効率化に向けたターミナルの管理システムの整備など内航フェリー・RORO船ターミナルの機能強化を推進し、関係部局とも連携し、トラックドライバー不足等の問題に対応してまいります。

5.クルーズ再興に向けた取組
昨年、我が国へのクルーズ船の寄港回数は、コロナ前 ピークの約8割まで回復いたしました。また、寄港するクルーズ船の大型化が進む一方で、 小型のクルーズ船が全国津々浦々へ寄港するなど、船型や寄港地が多様化してまいりました。今後とも、各地域の皆様と連携し、多様なクルーズ船の受入環境整備や寄港促進に向けた取組、地域経済効果を最大化させるための取組、地方誘客促進に向けた取組を推進し、経済の活性化や賑わいの創出に努めてまいります。

7.個性をいかした地域づくりと分散型くにづくり
港湾は、地域の雇用と経済を支え、産業の国際競争力を向上させる重要なインフラです。国際バルク戦略港湾をはじめとする民間投資の誘発や、集積した産業の効率化に資する港湾の整備を重点的に推進してまいります。

 また、「みなと」を核とした賑わいの創出により、地域の活性化や人々の交流を促進し、また、来訪される方が地域の魅力を体験し発信して頂けるような環境整備等に、地域の皆様とともに積極的に取り組んでまいります。加えて、新たに導入された「みなと緑地PPP」制度を活用し、民間事業者と連携した魅力的な港湾空間の形成に取り組んでまいります。


 このほか、港湾工事に不可欠な作業船の確保、港湾関連産業の海外展開支援など、港湾を巡る期待や課題は極めて大きいと感じております。また、本年4月から大阪港夢洲コンテナターミナル隣接地を舞台に”大阪・関西万博”も開催されます。今後とも、港湾の一層の機能強化や賑わいの創出等に全力を挙げて取り組んでまいります。

 最後に、本年も港湾行政へのより一層のご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げるとともに、皆様方にとりまして、素晴らしい一年なりますことを心より祈念し、年頭のご挨拶とさせていただきます。

※一部抜粋