求人情報

全日本ホテル連盟(ANHA)会長 清水嗣能氏

  • 2025年1月10日

 新年あけましておめでとうございます。

 世界的な気候変動に伴う豪雨や地震等、度重なる災害への対応については、業界の努力だけではいかんともしがたい問題が多い中、能登半島地域では度重なる地震や豪雨災害に遭いながらも、復旧、復興に向けて着実に歩み続けている姿勢には頭が下がる思いです。

 われわれ全日本ホテル連盟では、令和6年能登半島地震による二次避難者受入のための客室提供を会員に呼びかけるとともに、各会員ホテルのフロントに募金箱を設置し、お客様のご厚志による義援金を日本赤十字社を通じて被災各県に寄付させていただきました。

 また、コロナ禍を経て、宿泊業界のみならず全産業で未曾有の人手不足の時代を迎えています。その問題解決に向けてDXによる省人化や、外国人材の採用も進んでいる一方、われわれ宿泊業界が抱える宿命として、週末や連休、お盆休み、正月等が忙しく、朝早く、夜遅いなどのシフトがあることなど、一般的な会社と比べると募集していく上で選ばれにくいような事情が存在します。コロナ禍の中で、あるホテル教育学校では、ホテル業界はいつ潰れるか分からないので行くのはやめなさいと親御さんが言っておられると側聞しました。残念ながらホテル業界のイメージは未だに良いとは言えません。

 当連盟では、このような状況を少しでも改善するため、ホテル産業フォーラムを開催し、ホテル業界の魅力と働き甲斐の向上に取り組んでおります。その中で、私は我々ホテルマンの本当の仕事は何かと問うた場合、「人は良い思い出が多ければ多いほど幸せであり、その良い思い出づくりのお手伝いをすること、すなわち人を幸せにすることが私たちの本当の仕事である。」と伝えています。

 これから業界挙げて取り組むべきことは、業界のイメージアップと人材確保です。そのためには、ホテル業はお客様に喜びを与えられるやり甲斐を感じる職業であることを分かり易く伝え続けることであり、他業種と比べてもより良い雇用条件を提示できるようにしして行くことが、ホテル経営者としてのミッションであると考えます。

 新年を迎えるに当たり、われわれ全日本ホテル連盟では、観光立国の実現と地域の発展を目指すという宿泊業界団体としてのミッションを再確認し、当連盟の存在意義の確立に取り組んで参ります。