【視察レポート】脱カジノ依存目指すマカオの魅力とは?アクティビティ・グルメ・最新ホテル情報を取材した
海外のカジノの言えば?と聞かれて、ラスベガスと並び真っ先に思い浮かぶのはマカオではないだろうか。約5時間程度のフライト時間と、香港などからも容易にアクセスできる利便性も魅力だが、カジノ以外のマカオ観光の魅力は何か。マカオ政府観光局は多様な食文化やアクティビティ、ホテルなどの魅力を訴求すべく視察旅行を実施した。観光分野でのカジノ依存脱却を目指す同地域の現地情報をレポートする。
延伸や新線開通が進むマカオ初の鉄道
まずは、基本情報から。日本からマカオへの直行便は現在、マカオ航空(NX)による成田(NRT)と関空(KIX)発の2路線。福岡線が復便するかとの報道があったものの、未だ就航には至っていない。マカオ政府観光局副局長チェン・ウエイ・トン氏によると、現在同局では航空会社に対し増便を働きかけており、加えてJALにも直行便就航の交渉を行っているという。なお、渡航に際しては、日本国籍者の場合90日以内の滞在はビザが免除されている。
現地での移動では、タクシーやバスのほか、カジノやホテルが運航する無料のシャトルバスもあり、空港などの要所を結んでいる。また、2019年12月にマカオ初の鉄道として運航を開始したLRTは、現在も延伸や新線開通のための工事が進んでおり、2023年12月には媽閣~海洋間が延伸、今月には協和醫院~石排灣間を結ぶ新線が開通した。
今年6月までの日本からマカオへの渡航者数は6万1870人。2023年年間が7万5155人だったことから回復基調であることは間違いないが、2019年1月~6月は17万5068人となっており半分にも届いていない。19年年間では29万5783人が訪れており、地域別では中国本土、香港、台湾、韓国、フィリピンに次いで6番目につけていたが、今年6月までの数値ではインドネシア、マレーシア、タイ、米国に抜かれ10番目となっている。
カップルやファミリーでも楽しめるアクティビティ、施設が豊富に
アクティビティや観光施設では、大人から子どもまで楽しめる複数のスポットを巡った。マカオ政観によると、日本人渡航者はコロナ禍以降、若年層の割合が増えたほか、カップルやファミリーが多くなっており、現地でもファミリー層などが楽しめる施設が充実している。
コタイ地区リスボエタマカオ内にある屋内スカイダイビング施設「Go Airborne」では、下からの風によって浮き上がり高度900m~3600mを飛ぶ感覚が味わえる。4歳以上であれば体験可能で、資格を持ったインストラクターのレクチャーにより安全に楽しめる。
また、体験中は写真や動画を撮影してくれていて、終了後に購入もできる。
毎年11月に開催され、マカオ市街地の公道を走るマカオグランプリ。ミハエル・シューマッハ選手や佐藤琢磨選手らが優勝を遂げた大会だが、そんな同大会の世界観を味わえるのが「マカオグランプリミュージアム」だ。
2021年にリニューアルした同ミュージアムでは、マシンの展示などとともにこれまでの歴史を学ぶことができる。また、シミュレーターなどの体験も充実しており、レース体験からマシンのタイヤ交換など、少々マニアックな体験も可能となっている。
カジノと並ぶマカオ観光の醍醐味として、世界遺産も必見だ。計30もの建造物と広場で構成される「マカオ歴史市街地区」は、2005年に世界文化遺産に指定されている。長らくポルトガル統治下であったことから、西洋と中国それぞれの文化が融合した街並みはユニークで趣深い。また、ほとんどが無料で楽しめる、且つ密集しているため1日でも多くの遺産を巡ることができる。
街並みの観光で言えば、夜景も忘れてはならない。ホテル・カジノを中心とした煌びやかな街並みは徒歩でも楽しめるが、オープントップバスツアーがオススメ。
今回のバスツアーは、マカオ外港フェリーターミナルをスタート地点にマカオを代表するカジノリゾート「グランド・リスボア」や、マカオタワー、エッフェル塔がそびえ立つ「ザ・パリジャン・マカオ」などを巡る見どころ満載の内容だった。ウィン・パレスではバスを一時停車して噴水ショーを鑑賞。ルーフトップから見るため人混みなどに遮られることなく楽しめる。