「修学旅行の対応も難しい」日バス協会がバス危機突破総決起大会開催、自動運転"国家プロジェクト"に
日本バス協会は6日、永田町の自由民主党本部で「バス危機突破総決起大会」を開催し、自民党から森山裕幹事長、鈴木俊一総務会長、小野寺五典政務調査会長、國場幸之助国土交通副大臣らが参加した。
バス業界を巡っては、運転士不足や燃料高などの影響から減便、路線廃止が顕在化。これに対し同協会では、人材確保のための定期的な運賃改定などの要望を再三に亘って訴えてきた。今年9月には、「バス再興10年ビジョン」を策定し、今後10年間を見据えた業界としての指針を示したところだ。
本決起大会に登壇した同協会の清水一郎会長は、「乗り合いバスだけではなく、貸し切りバスの運転士も不足しており修学旅行の対応も難しい」との現状を明かした。
一番の課題とする運転士不足に対しては、海外人材の活用も進むものの「ハードルが高く難しい」と苦戦する状況のようで、切り札は「自動運転」と話した。特に、走る路線が決まっている乗り合いバスに有効として、今後は「国家プロジェクトとして進めていただきたい」と早期実現を求めた。
続けて登壇した自由民主党バス議員連盟の逢沢一郎会長は冒頭で、先日行われた衆議院選挙が「大変厳しい結果に終わった」と振り返った上で、「今後は1人が2倍、3倍の働きで国政にあたっていく」と発信。「バスは国民の移動の自由や利便の最後の砦」と続け、運転士不足に対しては女性採用の拡大や外国人登用などに尽力することを約束した。
また、「都内では2、3年の内に、タクシーの自動運転が実現すると聞いている」と話した逢沢氏。「大量輸送のことを考えれば、バスの方がもっと大事ではないか」とバス業界での早期実現に賛同した。
本決起大会では、協会と議員連盟が共同で「深刻な運転士不足の解消」、「自動運転バスの本格運行に向けた支援大幅強化」、「EVバスなどの普及で環境へ貢献」、「完全キャッシュレス化の実現」の4点を政府への要望として決議。キャッシュレス化含め、基本的には運転士不足への対応にフォーカスした内容となっており、今年度の補正予算や来年度予算での財政支援を求めていく。