モンゴルの風と星、大きな空、そして遮るもののない大草原 その1-MATCH 松宮英範氏

  • 2024年9月19日

 なお、モンゴルの国土は日本の4倍で東西に⾧く、ざっくり分けると北は森林地帯、中央がこの草原地帯、南は砂漠地帯となっていて、微妙な降水量の関係でこうなるそうです。南に行くと雨はもっと降らないから砂漠となり、北は雨が多いので森林もあり、この奇跡の草原地帯は雨が少なめだけど皆無ではないので、草は生えるけど木は育たない。湿気が程よく少なく風が心地よい。ただ、一部の草原では雨が降らず砂漠化したり、雨が降りすぎて背が少し高い草が生えたりしていて、モンゴルでも環境の変化はあるようです。

 併せてご紹介したいのが「夜」。星空がまさに圧巻なのです。圧巻という言葉が一番相応しい。アフリカのサバンナやシナイ半島やアラスカでも星降る夜をこれまで幾度と体験してきましたが、モンゴル大草原のど真ん中で見る星空の美しさは、間違いなくこれまでで至高のものとなりました。

 地平線ギリギリまで埋め尽くされた星空、北斗七星も北極星も天の川も探す必要など1ミリもなく、とんでもない存在感でそこにある奇跡、土星など肉眼で「輪っか」が見られるのではないか?という位の輝きです。飽きずにいつまででも見ていられるとはまさにこのこと。星座の知識豊富な日本人ガイドによる空高く光が届くライトを使っての解説も楽しい。宿泊するゲルの部屋にはトイレはなく、トイレトレーラーに行かなくてはならない不便な環境ですが、夜中にトイレに起きて星空の中を歩くのがまた楽しい。これだけで飛行機に5時間乗って行く価値が大いにあります。

 ただし、星空観賞の注意点も少々。モンゴルの空もずっと晴れているわけではなく、曇り空もあるし雨も降ります。完璧な星空鑑賞には雲1つない晴天が条件。実際、2泊目は空全体に雲が広がり、夕食後の星空鑑賞会は中止。夜中2時過ぎ以降にトイレに起きたものだけが2日連続星ふる夜を楽しめたとか…私は爆睡でした…(星降ると表現していますが、実際、流れ星が次から次に落ちてゆきます)。

 日没後は寒くなるので防寒着もマスト。最後に完璧な星空を観る環境として一番重要なのは「暗さ」です。周囲に明かりが何もないこと。月も重要、薄い新月がベスト。訪れた時期は月が出るのが夜遅い時間ということで、影響を受けずにラッキーでした。目も鳴らす必要があり、30分ずっと夜空を見上げていると星がますます輝いて見えてきます。

 まだまだ続くモンゴル話。紙幅が限られていますので、続きは次回にて。


松宮英範
株式会社MATCH代表。大学卒業後、大手旅行会社で26年勤務。主に富裕層向けの海外ツアーを手掛ける。50歳を機に、コロナ禍の2021年に独立起業し、ニッチなホテルのプロデュースと集客支援を行う。インバウンド向けのミニホテルや長期滞在型のコンドミニアムホテル、関東近郊のリゾート地で展開する一棟貸切タイプのラグジュアリーヴィラなど現在12施設の運営や集客に携わる。その他、集客にお困りの施設の宿泊コンサルタントや、神奈川県で第3種の旅行業登録、中小機構のアドバイザー、各種講演や大学の講師なども務める。大阪出身、横浜市在住。