JATA 韓国団体旅行促進へ、セールス担当者を表彰する新たな試み

  • 2024年7月11日

 日本旅行業協会(JATA)は、アウトバウンド促進協議会(JOTC)東アジア部会の活動の一環として、韓国への団体旅行総客促進を目的に、韓国観光公社と共同で優秀なセールス担当者を表彰する新たな施策を開始する。

 JOTC韓国ワーキンググループ座長を務める本多寿彦氏は、円安・物価高・航空運賃高騰などを背景に「韓国及び海外を積極的に売ろうというセールス担当者がなかなか出てきていない」との認識を示し、特にコロナ禍では添乗や研修旅行の経験が出来なかった若手も多いと危惧した。

 開始する新たな施策では、24年1月1日から25年12月31日出発分の韓国への10名以上の団体旅行を2本以上受注したセールス担当者の中から、最も多く総客した担当者を表彰する。表彰はJATAの全国8支部から上位3名、計24名を選出しソウルへの招待が行われる。また、全体から最優秀営業社員も選出し、歓迎晩餐やユニークべニュー体験などが送られるという。

 申し込みは今年10月31日まで。本多氏によると既に11社1000名以上のセールス担当者がエントリーしている。

 加えて、昨年にも開催した「韓国絶品グルメ30選商品コンテスト」を今年も実施する。ソウル一極集中の解消を図るため、地方の名物グルメを取り入れた旅行商品を表彰するもので、昨年開催時には、最優秀賞にあたる韓国観光公社賞に阪急交通社の旅行商品が選ばれた。

 今年の開催では、新たに「伝統市場等の地方活性化のための素材を組み込むこと」が条件に追加されており、11社がエントリーを行っているが各社から複数の商品展開が行われていることから「50以上の商品が展開されていくのでは」(本多氏)と期待感を示した。

 授賞式は12月中を予定しており、「韓国観光公社賞(1点)」「日本旅行業協会賞(1点)」「特別賞(2点)」が選ばれる見込み。

閑散期への対策、旅行会社と連携を
伝統行事を日本人向けに特別開催

 韓国観光公社日本地域センター長の金観美氏によると、今年1月~6月の訪韓日本人は142万8000人。年間での目標値330万人の半分に達していないことから同氏は危機感を示しており、今後旅行会社ら各社と連携し閑散期への特別対策などを実施する方針を明らかにした。

 一環として、今年10月には伝統的なお祭り咸安の落火ノリを日本市場向けに特別に実施する。通常は5月の年一回開催されるものだが、日本人観光客600名を対象に実施されJOTC韓国ワーキンググループに所属する旅行会社が販売する。

 同イベントを外国人対象として特別開催するのは今回が初とのことで、金氏は「今回のイベントを成功させ、日韓国交正常化60周年を迎える来年には友好交流の目玉として特別イベントを更に拡大したい」と意気込みを語った。