独立系ホテルアライアンスGHA 加盟ホテルが日本での開業明言、ロイヤリティプログラムの今後の展開は?
独立系ホテルが加盟するグローバル・ホテル・アライアンス(GHA)からこのほど、クリストファー・ハートリーCEO及び、加盟ホテルの代表らが来日し、日本国内でのホテル拡充の可能性や提供するロイヤリティプログラムの今後の戦略などについて語った。
2004年に設立されたGHAは、現在100ヶ国40ブランド800軒が加盟するホテルネットワーク。加盟ホテルにはアウトリガー、ケンピンスキー、マイナー・ホテルズなどが名を連ねており、国内ホテルとしてはいずれもパン パシフィック ホテルズ グループが東急ホテルズと契約している「BELLUSTAR TOKYO」「HOTEL GROOVE SHINJUKU」「セルリアンタワー東急ホテル」の計3軒が登録されている。
主な取り組みは、ロイヤリティプログラム「GHAディスカバリー」。会員は加盟ホテルでの宿泊などによって独自通貨「ディスカバリー・ドル(D$)」を獲得し、貯まったD$は宿泊時の支払いやアップグレードなどに使用できるほか、各ホテルが監修した会員限定の体験プランなども楽しむことができるもので、加盟ホテルにとっては独自でロイヤリティプログラムを展開する大手ホテルチェーンへの対抗策となっている。
昨年にはラグジュアリークルーズのリージェント・セブンシーズ・クルーズとパートナーシップ契約を締結しており、リージェントのクルーズ予約時にもD$を獲得が可能に。また、乗船時にはウェルカムギフトが提供されるなど会員メリットを拡充している。
GHAディスカバリーの会員数は現在2700万人。そのうち国内では34万人が登録しており、日本拠点の会員によるホテル収益は、今年最初の5ヶ月間で昨年の総収益を上回るほど急激に増加している。ホテル別では、特にアウトリガーが人気とのことで、「日本拠点の会員からの収益の大部分は、ワイキキのアウトリガーに集中している」(ハートリー氏)。
今年で設立から20周年を迎えたGHAだが、ハートリー氏は「効率的な経営が可能となるよう、加盟ホテルがそれぞれ協力し成功を築いてきた」とこれまでを振り返り、「加盟ホテルは4ブランドから40ブランドまでに増加した」と強調した。
ブランド数は今後も更に増加すると自信を見せる同氏は、加盟する独立系ホテルに見られるような「自らホテル経営を行う個人オーナーが増えている」との認識を示しており、その理由の一つとしたのが大手グローバルホテルチェーンのフランチャイズ契約に係る莫大なコスト。GHAの場合、加盟ホテルそれぞれが株主や経営層に名を連ねる合弁会社であることから「利益を追求するものではなく、大幅なコストセーブが可能になる」(ハートリー氏)。
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