日本は世界一の「一人旅」国、ユーロモニターが旅行者最新トレンドを公表
市場調査会社のユーロモニターインターナショナルは18日、今年1月~2月に世界39か国、各国約1000名を対象にした消費者調査をもとに日本及びアジア太平洋地域の旅行者最新トレンドを発表した。それによると、一人旅をする人の割合は調査国のなかで日本が一番大きかったという。
「休暇で旅行に行くとき誰と行きますか」という問いに対して、「一人で行くことが多い」と答えた人の割合は、世界全体では一番回答数の少ない7.2%である一方、日本は19.2%と大きく上回った。また、19年の調査では同様の回答が10.4%だったため、コロナ禍を経てほぼ倍増する結果に。
日本の回答者を男女別で見た場合、「一人で行くことが多い」と回答した女性は13.5%、男性は24.2%で男性の方が割合が高くなっている。加えて、世代別では24.6%を記録した30~44歳が全世代の中で最も多い結果になった。
国内で一人旅を好む消費者が増えた理由について、同社の木村幸コンサルタントは、23年の日本の世帯構成比では単身世帯が全体の4割を占め、世界の2割を大きく上回っていることを前提に、「コロナ禍を経て自分を大切にするセルフケアの意識や個人主義が台頭するようになった」と分析した。
アジア太平洋地域の観光客「コト消費」重視
AI、VR/ARは有効か?
続けて、アジア太平洋地域の消費者に対する「旅行先を決めるときに重視する事項」に関する質問では、「リラックスできるところ」「食事が美味しいところ」「自然やアウトドアの活動があるところ」「地元の文化に溶け込めるところ」という回答が上位に入る一方で、「買い物」との回答は10%に留まった。
また、3月~4月に実施した調査で、「企業やブランドとやりとりをするときに心地よいと感じる場面・方法」に関して尋ねたところ、アジア太平洋地域の消費者48.9%が「カスタマーサービスに係る質問をリアルな人間にすること」と回答しており、「カスタマーサービスに係る(単純/複雑)な質問をチャットボットに対してすること」と回答した人の割合(28.2%/21.3%)を大きく上回った。
一方で、アジア太平洋地域のVR/ARを使用したことのある消費者に対する、その用途に関する質問では、40%が「旅行先の下見」、33%が「宿泊先ホテルの見学」と回答。
調査結果を受け、同社プルーデンス・ライ・コンサルタントは「旅行やホスピタリティ、特に旅行先やブランドに対してロイヤルティーを育むためには、人間的な触れ合いが不可欠であることに変わりはない。他方、近年拡大しているVR/ARの使用用途として、旅行先や宿泊先の選定が大きな割合を占めることから、シームレスなカスタマージャーニー実現のためには、カスタマージャーニーの段階に合わせて、最新技術導入を検討するのが良いと考えられる」とコメントした。