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海外出張手配は30年前の状態に戻った?エムハートツーリスト代表が明かす、コロナ後の業務渡航市場の動向

  • 2024年4月5日
-昨年、エールフランスKLMとSAFコーポレートプログラムの協賛契約を締結しておりますが、どのような意図があるのでしょうか?

辻本 まずは社内で地球環境問題への関心度を高めたいというのが一番の理由です。私たち手配担当者も現時点でまだ関心度は高いとは言えない状況と認識しています。一方で、昨今の航空会社や海外におけるビジネストラベルの状況を鑑みると、今後地球環境を意識した出張は避けて通れないものと考えています。

 昨年「出張なび」にもCO2排出量算定機能を実装しました。移動距離や宿泊数などの利用実績から、温室効果ガス排出量の算定等に用いられるデータベースに基づいて排出量を可視化できるもので、ご利用いただいている企業からは好評いただいております。

-サステナビリティのほか、企業や出張者からのニーズに変化はありますか?

辻本 コロナ禍前からの変化では、長らく海外渡航ができない状況が続いたことで、海外出張の手配が30年前ぐらいの状態に戻った印象があります。渡航手続きや現地状況が変わったり、航空便の乗り継ぎ環境も変わりました。また、昨今の海外治安の不安定さも相まって、出張者が以前の感覚で予約が取りづらくなっており、適切な渡航アドバイスが必要な環境になっているかと思います。

 そういった意味では、改めて旅行会社の必要性は高まったと思います。いずれは落ち着くとは思いますが、この状況は現在も続いています。

-一方で、そういった各種情報は収益化が難しいようにも思います。

辻本 情報単体ではキャッシュポイントにはなりませんが、その知見を活用して企業から選択していただく強みに変えていける意味では価値は高いと思います。実際に、そういった情報提供を求めて新たな企業からお声掛けいただくこともありますので、業務渡航においては的確なアドバイスができる旅行会社のニーズは高くなっていると思います。

 情報提供など人手のかかる部分で手数料をいただけるということが、本来の姿だと思っていますが、まずは単純な予約手配だけに終わるのではなく、どのように渡航すれば良いか、コストや目的含めてどうすれば最適になるのかを出張前後含めてご提案していきたいと考えております。

-ありがとうございました。