南ア 旅行会社らと協力し2万3000人の送客目指す、19年以来となる「トレードワークショップ」も復活へ
南アフリカ観光局は7日、「STRONGER TOGETHER(一緒ならもっと強くなれる)」と題した業界向けイベントを開催。冒頭に登壇した、同局トレードリレーションシップ・マネージャーの近藤由佳氏は「"STRONGER TOGETHER"を合言葉に、旅行会社、メディア、エアラインなどの皆様とチームSouth Africaとして一致団結し、4月以降南アフリカツアーの販売促進に一緒に取り組んでいきたい」と述べ、南アフリカへの誘客へ業界関係者らとの一層の協調姿勢を示した。
イベント前には本誌らの取材に応じ、国としては「2030年までに観光客数1560万人」を目標としていると明かした。これは、コロナ前19年の観光客数(1022万8593人)のおよそ1.5倍。南アフリカ統計局によると、昨年の観光客数は848万3333人(19年比:82.9%)。アフリカ諸国を除いた国別では、英国35万6160人(19年比:81.6%)、米国35万3975人(19年比:84.7%)が最も多かったが、アフリカ諸国が全体の75.6%(641万392人)を占めている。
また、アジアでは、インド7万9774人(19年比:83.4%)、中国3万7164人(19年比:39.9%)が最も多かったが、次いで日本が1万3176人(19年比:46.4%)を記録した。
今後の課題の一つになるのが直行便含めた座席供給量の回復。近藤氏によると、現在41地域に直行便が就航しているが、主要マーケットの中でも日本、インド(季節便あり)、カナダ、スペイン、イタリア、ロシアなどからは直行便がない。現在一部の航空会社へは増便などに向けて働きかけており、香港~ヨハネスブルグを週3便運航するキャセイパシフィック航空(CX)に対しては、デイリー運航復活に向けて取り組みを行っているという。
また、長年提携関係にあるエミレーツ航空(EK)とは、今年11月以降にEK協力のもと日本市場向けの研修旅行を実施する予定で、近藤氏は今後も「(EKのみならず)1つでも2つでもエアラインと協力のもと企画していきたい」と述べた。
日本市場では今年2万3000人の送客を目標に各種取り組みを行うが、B2C向けには旅先としての認知度向上を目的にテレビなど複数のメディアを通したプロモーションを行うほか、ツーリズムEXPOジャパン含め様々なツーリズムイベントに参加し魅力を訴求する考えだ。
近藤氏によると、一部の旅行会社では南アフリカで教育旅行や研修旅行の実施検討を行う新たな動きも見られるが、同局では旅行会社と個々にコミュニケーションを図り、それぞれに必要なサポートを実施する方針だ。また、「現地サプライヤーからの要望も多かった」とのことから、19年以来となる「トレードワークショップ」を復活する予定で、現時点では9月頃東京での開催に向けて検討が進んでいる。