「ハイアット ハウス」東京初進出、今後国内で中長期滞在型ホテルのニーズ高まる?
「ハイアット ハウス」ブランド東京初進出となる「ハイアット ハウス 東京 渋谷」の開業がいよいよ来週26日に迫る。同ホテルは「渋谷で暮らすように泊まる」をコンセプトとしたアパートメントスタイルで、全客室にキッチン、洗濯乾燥機を完備。館内には屋内プール、フィットネスセンター、レストラン、バー、24時間営業のマーケットなど、共用スペースも充実している。
日本ハイアット代表取締役の坂村政彦氏は19日開催した会見で、「リモートワークやデジタルノマドという働き方が急速に広がるなか、暮らすように泊まっていただけるこのホテルは、こうした需要に確実に応えることができる」と自信を覗かせた。
総支配人の矢野花恵氏によると、想定するターゲット、ゲスト層は「リロケーションなどで来日する長期滞在目的のビジネスパーソン、ファミリー」、「短期プロジェクトなどでの宿泊利用」、「リモートワーカーやデジタルノマド」、「インバウンドファミリー層で、レジャー目的の長めの短期滞在」、「国内レジャー層」。同ホテルは、昨年10月18日から予約受付を開始したが、現時点で8割がインバウンドとなっている。
ホテルが位置するのは、昨年11月に竣工した複合施設「Shibuya Sakura Stage」内、渋谷駅徒歩5分の好立地だ。同施設は、東急グループが手掛ける渋谷再開発において駅中心地区の“ラストピース”となる。グループ内でホテルチェーンを抱える同社が、今回ハイアットの誘致に至った経緯について、東急不動産執行役員の友井俊介氏は「この再開発では国際競争力の強化がミッション。海外での知名度やメンバーシップなどの強みなどを考慮し決定した」と明かした。
インバウンドに対しては、今後円高による影響も懸念されるところだが、坂村氏は「(円安によって)昨年はADRは非常に好調、日本のRevPARもアジアの中で際立っている」と円安によるインパクトは認めた一方で、「今の単価の伸びは円安だけでは説明がつかない」と話した。同氏は「コロナ禍からのベントアップ需要のなかで、富裕層を中心に日本はかなり魅力的な観光地として見られるようになった」と分析しており、仮に円安の状況が変わった場合、単価に多少の影響は出るものの「観光地としての人気はそれほど変わらない」と見ている。