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旅行業界はシステムとの相性が悪い?エンジニアから見た業界の課題は-Play Technologies 佐藤拓人氏

  • 2024年3月25日

 宿泊予約サイト「HoteCo」の受託を行ったソフトウェア開発会社のPlay Technologies。代表の佐藤拓人氏は、旅行系のスタートアップ企業でエンジニアとしてOTAの開発に従事。その後独立し、同社を立ち上げた。業界では、IT化やDXへの対応が急務とされるなか、"エンジニア"の立場から業界の現状はどう映るか。課題などについて伺った。

Play Technologies
佐藤拓人氏
-最初に経歴等、自己紹介をお願いします。

佐藤拓人氏(以下敬称略) 社会人のスタートはエンジニアではなく、野村不動産のグループ会社に営業として入社しました。ただ、営業は向いていないと感じることも多く、また、大学在学中がX(旧Twitter)黎明期で当時からネットに興味があり、社内でエンジニア職を希望して、そこからプログラミングについて学び始めました。

 その後、転職して広告系のシステム開発、チームマネジメント、事業立ち上げ等を担当した後、エンジニア採用の人事として働いていましたが、やはり自分でコードが書きたいと思い転職し、入ったのが旅行系のスタートアップ「Hotspring」でした。

 (同社へは)アルバイト募集と間違えて応募してしまったのですが、結果としてエンジニアとして採用いただき、旅行チャットシステムの構築やオンライン予約サイトの開発に従事し、その後20年8月に現在の会社を登記し、21年2月から本格的に動き出し今に至ります。

-Play Technologiesについても教えてください。

佐藤 ソフトウェア開発を主な事業として、自社サービスや受託開発に取り組んでいます。旅行関連では、宿泊予約サイト「HoteCo」の受託開発に携わり、その他、社内向けの業務改善ツールや、経理向けのタスク管理ツールなど、幅広く開発を行っています。

 強みは私含め社員全員がエンジニアで、窓口としての営業も担当することです。また、初心者はおらず、事業者側とやりとりを行うのはプロのエンジニア、もしくはデザイナーだけとなります。

 国内企業の傾向として、スタートアップはソフトウェアをうまく作れているところが多いのに対し、大きな事業を持った会社の場合は、内製でテクノロジーを持っていないことが多く、受託に頼って失敗するケースもよく見聞きします。

 これはスタートアップの場合、ビジネス責任者が直接エンジニアやデザイナーと話すことで、情報や目線を統一できる可能性が高まる一方で、大きな事業を持つ会社は、営業、PMが個別にいて、更にデザインは別会社が担当するケースもあり、発注者や決済者の意見が届きにくいためです。

 今まで試行錯誤を続けて事業を伸ばしてきた企業が、ソフトウェアで足元をすくわれて勢いを失うことは非常に勿体ないことです。また、開発を担うこちら側も、人数が増えて情報共有とレビューばかりになり人件費が高騰することもあってはならないと思います。我々の仕事は「システムをつくる」ことではなく、「ビジネスを最大化する」こと。うまく事業とテクノロジーの架け橋になれればと考えています。

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