2024年「印象派150周年」、パリ・ノルマンディー地方で日本人の客需要喚起を狙う

  • 2023年12月20日

 フランス観光開発機構はこのほど東京都内で、2024年「印象派150周年」について記者会見を行い、主要な開催地となるノルマンディー地方やパリ、イル・ド・フランス地方から来日した関係者らが、概要についての説明を行った。フランス観光開発機構在日代表のフレデリック・マゼンク氏は「印象派は日本市場には非常に人気の高いテーマ。このイベントを通して需要喚起と観光客数の底上げにつなげていきたい」と話している。

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フランス観光開発機構在日代表フレデリック・マゼンク氏

 「印象派150周年」は1874年4月、パリで初めて「印象派」という名称が使われた展覧会が開催されたことに由来する。モネやルノワールら、のちに印象派を代表する画家たちが活動したパリやイル・ド・フランス地方、ノルマンディー地方では、3月末からおよそ半年にわたって印象派をテーマとした200を超えるイベントを順次開催していく予定。パリのオルセー美術館では2024年3月26日から「1874年パリ、印象派の創造」展や、1874年のパリをVRで体験する没入型プログラム「印象派画家と過ごす一夜 1874年パリ」などが企画されている。

 また、ノルマンディー地方では「印象派フェスティバル」を2024年3月22日から9月22日まで開催。ルーアン、ジヴェルニー、オンフルールなど、印象派ゆかりの街で美術展など約150のイベントが予定されており、「地元のレストランやホテルなどと協力し、モネ自身が作成したレシピによる料理の提供なども計画している」とノルマンディー印象派フェスティバルディレクターのフィリップ・プラテル氏。フェスティバルでは約150万人の来訪者を見込んでいるという。

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(左から)パリ地方観光局印象派プロジェクト担当ラファエル・ギユー氏、ノルマンディー地方観光局ミッション担当・アジア市場担当サビーヌ・パニエ氏、ノルマンディー印象派フェスティバルディレクターのフィリップ・プラテル氏、ノルマンディーおよびパリ・イルドフランス地方“印象派を巡る旅”プロジェクトリーダーのナタリー・ルセール氏

 イル・ド・フランス地方およびノルマンディー地方を訪れる日本人は例年主要外国人客のトップ10に入っており、コロナ禍による停滞はあったものの2023年1~8月は好調な回復傾向にあるという。ノルマンディーおよびパリ・イルドフランス地方“印象派を巡る旅”プロジェクトリーダーのナタリー・ルセール氏は「日本人は印象派についての知識が深く、また印象派とジャポニズムは密接な関係がある。ぜひ訪れていただきたい」と話す。またパリ地方観光局印象派プロジェクト担当ラファエル・ギユー氏は「2022年に公開されたアルジャントゥイユのモネの家や、今後公開予定の女流画家モリゾの家といった新たな観光素材も(ツアー造成に)活用していただきたい」と語り、来訪を呼び掛けた。