英国、中国で4年ぶり北東アジア商談会開催、大阪万博で旅行も促進へ
(上海発) 英国政府観光庁(VB)は11月23日、中国をメインに北東アジア市場も対象に加えた商談会「Destination Britain China & North East Asia」を上海で開幕した。同イベントは12回目を数えるが、前回はコロナ前の2019年の開催。VB会長のニック・デ・ボワ氏は「これは我々にとって非常に大きなイベント」であるとしたうえでその開催自体が市場に対するコミットメントであると説明。来年1月には英国での商談会も開催予定で、こうした投資がコロナ禍からの本格的なリカバリーに繋がることに自信を示した。
現地から訪中したサプライヤーは54名で、これに対してバイヤーは中国と香港から60名超、日本からメディアを含む3名、韓国は2名が参加。2日間で延べ約1800件の商談を交わす。
メディア向けの情報発信は中国市場に視点を置いた内容が中心だったものの、日本については2025年に開催予定である大阪・関西万博への意欲が聞かれ、デ・ボワ氏は「非常に楽しみにしている」とコメント。そのうえで自身も準備組織の一員となっていると明かし、パビリオンの展示によって旅行需要の喚起もできると考えを語った。また、関空ではブリティッシュ・エアウェイズの直行便が復便できていない状況だが、「万博によって関心が高まることは間違いない」として進展に期待を示した。
万博についてはVBのエグゼクティブバイスプレジデントでインターナショナルディレクターを務めるギャビン・ランドリー氏も、本誌取材に対して期間中に旅行に関する特別イベントなどを開催していく計画と明言した。
このほか、記者会見ではVBの今後の方針などについても説明。重要な方向性のひとつがサステナビリティで、環境への負荷や受け入れ地域のコミュニティの負担などを軽減していきたい考え。また映画やドラマの舞台を訪れるフィルムツーリズムなどにもチャンスを見出しているという。
なお、英国では新しい電子渡航認証システム「ETA」の準備を進めており、すでにカタールからの入国者を対象に先行導入しているところ。英国ビザ・移民局のアジア太平洋地区責任者であるマイケル・ラッツ氏は、来年末にかけて他国にも広げ日本も対象に加えられることになると説明。すでに日本の大使館などとも準備の協議を始めていると明かした。