【新企画】社長×若手社員座談会、東武トップツアーズ【後編】
コロナ後の今こそ、経営者と現場社員が語り合う
旅行業の地位向上へ、東武トップツアーズの未来像とは?
地位向上へ強い決意
TV編集部 業界全体の話として、低いと言われる給与水準についてのお考えは。
百木田 絶対に変えていきたい。この1年間は「誇れる仕事」をスローガンとして取り組んでいるが、お客様に感動を与えられる素晴らしい仕事で、これだけみんなが頑張っているにも関わらず低賃金というのはとても悲しい。
先ほどもあった通り、自分を買ってもらえれば自信を持って値付けできるはず。それによって利益を出していくべきで、それによって得られたものをきちんと返すのは我々の使命だ。すでに今回賃金も改定したが、これからもっともっと高いレベルを目指していきたい。
また、特に大事なのは、人間365日24時間働けるわけがないということ。休みは必要だし身体があっての話だから、限られた時間でいかに利益を出せるかが大事になってくると思う。それができたら業界としてのステータスが上がっていく。もちろん時間外労働はどれくらいか、有休は取れるか、結婚や出産時のサポートはどうかなど、ひとつひとつの制度も大切だ。
小松 週休3日制はあり得ますか?そう言っている自分が難しいと思っていますが。
百木田 具体的に検討している事実は無いが、7日のうち4日働くということは生産性を25%上げれば可能だよね。時間を費やして利益を上げるのと定時で終えて利益を上げるのと、どちらのほうが立派かという評価にも関わってくる。そこに持っていかなければいけない。
TV編集部 週休3日にする代わりに給与を下げる例もあるようです。
百木田 それでは全く意味がない。そうしたらそちらを選ぶ社員はいないと思う。給与、賞与、休みのすべてが大事。大事なものを供与できる会社を目指さなければ社長としてはダメだ。
旅行事業のあり方は
TV編集部 旅行業と非旅行業の比率についてはいかがでしょうか?
百木田 まったくこだわっていない。他社では具体的な数値を出されているところもあるが、その時の環境やマーケットで違う。うちは47都道府県に支店を持っているが、支店によっても事情が違う。
私としては旅行業という生業は大事にしたい。ただし、地域に根ざして、少子高齢化など日本が抱える様々な問題に対して、我々がそれぞれの地域と一緒に土台から仕組みを作っていくという取り組みが重要。人に喜んでもらいたいというホスピタリティと、何も持たない我々だからこそ持つコーディネート力。それを活かせば地域の課題を解決できる。
現在は、(コロナ禍の経験もあって)事業の引き出しが複数できた状態。それをどう使うかを各支店長が考えるということだ。
オンライン全盛期の今だからこそ
TV編集部 OTAとの競合についてはいかがでしょうか?
百木田 そこはもう戦っても仕方がないし戦う必要もない。我々ができることはもっと他にある。
カウンター店舗は、現在は沿線に8店舗あるが、自動ドアの奥でお客様が来るのを待っている、そういう商売はもう厳しい。売るものが完全な旅行商品で手数料をもらうだけの商売は終焉を迎えていると思っている。
とはいえ、カウンターがそれぞれの地域の拠点と考えれば、地域に根ざしたことはできるはず。カウンター店舗が悪ということではない。
TV編集部 テクノロジーの活用やDXについて若手の立場から見た改善点は。
石川 紙文化がすごいです。特にFAX。施設の方にメールでとお伝えしてもFAXを要望されるという…。
三井 確かにFAXは多いですね。
TV編集部 取引先の事情で前に進まないケースもあるんですね。
百木田 FAX…!確かに紙文化は直さないといけないね。会議をやっていても紙を使わないようにしているけど見たがる人もいる。これは覚悟だと思う。
石川 よろしくお願いします(笑)