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【新企画】社長×若手社員座談会、第1弾は東武トップツアーズ【前編】

コロナ後の今こそ、経営者と現場社員が語り合う
途切れず採用を続けた理由とは

経営統合から8年の現在地

TV編集部 統合から8年ですが現状は。

百木田氏

百木田 2013年にトップツアーが東武グループに入ってその2年後に東武トラベルと合併したけれども、最初は企業文化が全然違った。得意分野もちょっと違っていて、トップツアーは団体・法人が圧倒的に強くて70%が法人、30%が個人というようなイメージだったが、東武トラベルは沿線にカウンター店舗も当時25店舗あって個人が強かった。加えて教育旅行も強くてトップツアーとはライバル関係でもあった。

融合は5年くらいかかったけど、実際にはもっと苦労すると思っていた。意外とうまくいったと思う。

TV編集部 若手の立場でその名残を感じる部分はない?

石川 私はあまり感じていないですね。

小松氏

小松 先輩から、2社がどのように仕事をしていたとか、どういう風に合併したとか、歴史を聞く機会はあります。また、さいたま支店は元東武トラベル出身者が多い支店ですが、前の支店長はトップツアー出身の教育旅行が強い方で、仕事のやり方や考え方が全然違うように感じました。

 性格もあると思いますが、チームのトップがどちらの出身者かで色が変わるように思います。

コロナ禍で採用を続けた真意

TV編集部 採用について、コロナ禍で新卒採用を続けた理由は。

百木田 そこは強い意志があった。確かに2020年はコロナ禍が始まっていつ終わるかもわからないまますべて止まって当社も大きな赤字を出したが、それでも21年に82人、22年に74人、23年に131人と採用を続けている。

 これは我々が過去に失敗しているからで、苦しい時に何年か新卒採用を止めたことがあったが、そのあと何年経っても当然ながらその年代はいない。特に一番脂の乗った40代がいなくなってしまった。だから数は絞っても止めなかった。

田中氏

田中 私のチームは若いメンバーが多く、ほぼ20代なのですが、それが理由でしょうか?

百木田 当時採用していなかったか絞っていたかだね。それにその当時に入った社員は離職率も高くて、入社後10年かからずに全員退職してしまった代もあった。これはもちろん我々が悪いのだけど。

業界全体への思い

TV編集部 それにしてもあのコロナ禍では勇気がいる判断だったのでは?

百木田氏

百木田 むしろ非常に残念なのは同業他社がほぼ新卒採用を止めたこと。企業による事情は様々であるが、それでも採用は続けてほしかった。苦しい時でも採用を続けていれば業界全体のステータスになる。

 ほとんどの会社が止めてしまったら「やっぱりこの業界は自然災害や感染症等があると弱いんだな」となってしまう。そこには物凄く強くこだわった。

TV編集部 業界全体も考えてのこと。

百木田 そう。業界全体が苦しいながらも採用を継続していれば、また違っていたかなという思いはある。いまさらだが。

後編のテーマはコロナ禍での採用/就職活動の実際、給与を含めた旅行業の地位向上、会社の未来など。14日に公開予定。