【新企画】社長×若手社員座談会、第1弾は東武トップツアーズ【前編】
コロナ後の今こそ、経営者と現場社員が語り合う
途切れず採用を続けた理由とは
商品ではなく自分で差別化を
TV編集部 以前、有形でない旅行を売るのは大変、差別化しなければと発言されていました。
百木田 我々の業としての大変さで、商品の差別化は長くはもたない。だから社員一人ひとりの「人」を買ってもらわなきゃいけない。私を買ってくださいと。それがやりがいにもつながるし、「あなただから買う」と言ってもらえれば値段も付けられる。
石川 たしかに私よりも知識のある他社のベテランの方だと私より良い提案をお持ちだったりするので、いかに私という人を買ってもらえるか、という思いで営業を頑張っている部分はあります。そこにプラスアルファして経験などで差別化できる商品を作っていければ、自分自身が成長していけると考えています。
山崎 私は、社内外に(年齢や経験が)上の人もたくさんいる中で、それでも選んでいただけると嬉しい一方、その分ご期待への責任も感じます。そのご期待に応えるために頑張りつつ、そのプレッシャーを常に感じている日々です。
田中 自分たちがコロナ禍の入社ということもあって、旅行の経験や知識が浅いですが、今は旅行の案件が多く、後輩から相談されても自分も初めてだったりします。それでも初めてとは言えないので一旦預かり、一緒に勉強しながら進めるという状況に難しさを感じることもあります。
昇進/社長はいつから意識?
三井 入社時から昇進や社長職は意識していましたか?
百木田 社長はなりたくてなれるポジションではなく、その時代や環境が求める部分もあるし、若いうちはなかなかそう思う機会もなかった。ただ、管理職になったくらいから「やるんだったら上を目指そう」というのは意識の中にはあったかな。振り返るとハワイからの帰国後に色々な部署をまわる中で、社長室長とか経営企画部などに所属して常に社長の近くにいたから、「自分だったらこうしたい」と考える機会は多かったと言えるかもしれない。
近くで見ていると、社長って結構性格が違うんだよね。逆に共通するのは、社長はみんな孤独。弱音をはけないし芯が強くないとできない。
三井 もう一つ、社長になって会社の見方は変わりましたか?
百木田 変わったね。社員が約2700名で家族まで合わせると7、8000人。その生活を支えなければと思うと、それは責任を感じる。だからこそやりがいもあって、コロナ禍で皆さんが苦境の中でも数字を残してくれたことが今すごく嬉しい。私も就任からまだ2年で新入社員みたいなもの。みんなと一緒に形にしていく楽しさみたいなものを感じている。
TV編集部 三井さんは社長になりたい?
三井 まだ雲の上の存在すぎて頭の中には無いが、管理職にはなりたいと考えています。
百木田 だんだん上に上がっていって最後は「社長やっちゃおうかな」みたいになるから大丈夫(笑) 目指したほうがいいよ。
三井 ありがとうございます、がんばります!(笑)
社長就任秘話
TV編集部 社長になれた理由の自己分析は?
百木田 ご本人が一番無念だったと思うが、前社長が残念ながら病気で亡くなった。その側近だったのだが、私は我が強いほうだから思ったことを言って困らせたりもした。でも、前社長はそれを聞いてくれる方だった。自分から言うことではないのでこれまで話してこなかったが、一度だけ「次はあなたにお願いしたい」と言われたことがある。でも真意を確認する前に亡くなってしまった。