グローバルホテルチェーンとしての飛躍目指すプリンスホテルが積極展開、「グランドプリンスホテル」大阪初進出
グランドプリンスホテル大阪ベイの説明会内で、西武・プリンスホテルズワールドワイド代表取締役社長社長執行役員の金田佳季氏が、今後の同社が目指すビジョンなどについて語った。
同社は22年4月1日に、西武グループ中期経営計画に基づき経営改革を断行。これまでの「プリンスホテル」は、土地、建物を所有し運営までを一体で行い、時代の流れや地域に合わせた開発運営を続けることで成長を遂げてきたが、「アセットライトな事業運営」「損益分岐点の引き下げ」「ニューノーマルに合わせたサービス変革」の3つをテーマに、保有と運営を切り分け、資産を保有せずホテル運営に特化した新会社「西武・プリンスホテルズワールドワイド」としてスタートを切った。
実際に、同社は26施設をシンガポールの政府系投資ファンド「GIC」に売却。その他の施設は、同じく22年4月1日に新しくスタートを切った西武グループの「西武リアルティソリューションズ」へと資産を移した。
運営に特化したこのビジネスモデルは、マリオットなどグローバルホテルチェーンではスタンダード。今回の同社の経営改革も海外展開が狙いとなっており、金田氏は「運営に特化することでサービスのクオリティを向上し、ブランド力を高めていくことで、日本初のグローバルホテルチェーンとしての飛躍を目指す」と述べている。
現在同社は、国内59ホテル、海外には11のエリアに28ホテル、計87ホテルを運営しているが、今後国内外250ホテルを目標に展開を進めるという。
今後の展開
22年4月1日からの新会社以降、同社は国内に6つのホテルを開業した。
このたび開業したグランドプリンスホテル大阪ベイは、MICEなどにも適したゆったりとしたスケール感をほこる「Grand Prince Hotel」ブランド。同社は他にも、フラッグシップでラグジュアリー向けの「The Prince」、レジャーやビジネスに幅広く対応する「Prince Hotel」、国内外若年層をターゲットに立ち上げた「Prince Smart Inn」の計4ブランドを国内市場向けに展開している。
開業時期 | ホテル名 |
---|---|
22年4月 | プリンススマートイン京都三条 |
22年4月 | 沖縄プリンスホテルオーシャンビューぎのわん |
22年10月 | プリンススマートイン博多 |
22年11月 | プリンススマートイン大阪淀屋橋 |
22年11月 | プリンススマートイン那覇 |
23年7月 | グランドプリンスホテル大阪ベイ |
今後新規開業を行うエリアについては、国内は「未補完エリア」「政令指定都市」「主要都市」を中心に、既存ホテルを獲得し、リブランドでの新規開業を積極的に行う。とりわけ、これまでは東京、箱根、軽井沢などの東日本での展開を進めてきた同社だが、今後は注目される関西地区含め西日本への進出を図っていく考え。一方、海外については「APAC」「世界の主要都市」を中心に展開を行う。金田氏は「ホスピタリティや食など、世界から注目される日本の魅力を生かしたサービスを提供し、ラグジュアリーセグメントの取り込みと、世界的認知度の向上を図っていく」と述べた。
また、現時点で今後開業を予定しているホテルは下記の通り。
開業時期 | 国内or海外 | ホテル名 |
---|---|---|
24年初頭 | 国内 | プリンススマートイン名古屋栄 |
24年初頭 | 国内 | プリンススマートイン宮崎 |
23年秋以降 | 海外 | ザ・プリンスキタノニューヨーク |
23年中 | 海外 | パークレジスバイプリンスドバイアイランド |
24年春以降 | 海外 | ザ・プリンスアカトキリバーサイドバンコク |
24年中 | 海外 | パークプロキシーエルハヤットシャルム |
金田氏は、今後グローバルホテルチェーンを目指す上で、「ブランド力」「人材力」「収益力」の強化をポイントとしており、ブランド力強化においては各ホテルブランドでのターゲットを明確化し、今後ロイヤリティプログラムの拡充を図っていく考えだ。