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【シアトル視察レポート・前編】日本からデイリー直行便、ワイナリーもリゾートも市内から40分以内

 シアトル市内からだと車で約30分と通勤圏内にも入るWoodnville(ウッディンビル)のワイナリーに向かった。この辺りは緯度がボルドーに近く、カスケード山脈からはミネラル豊富な水が運ばれ、風が吹き渡って虫がつきにくいという、ワイン造りに向いている。かつ市内からほど近く、ここにワイナリーを開いたシャトー・サンミッシェルが、シアトルで働く人たちが職場からでも気軽にワイナリーに楽しみに来るというスタイルを作るべく1976年にワイナリーを開いた。今や128ものワイナリーが集まり、テイスティングをして回れるのが魅力だ。

Matthews Wineryのオーナーの一人、Bryan Otis氏(左)とWoodinville Wine CountryのAdam Acampora氏(右)
グラスでは20ドル、ボトルでは60ドルというクラスのワインが中心。テイスティングだと4種類を20ドルで味わえる(Matthews Winery)

 今回訪れたのは、日本にもワインを輸出している家族経営のマシューズ・ワイナリーMatthews Winery と、23年前にガレージでワイン造りを始めたというモーターサイクルと音楽好きのオーナーが営むマーク・ライアン・ワイナリーMark Ryan Winery。

壁一面にオーナーの趣味であるモーターサイクルや音楽レーベルなどが展示されたMark Ryan Winery。ライブコンサートをすることも。

 ウッディンビルは、ワイン畑があるわけではなく、契約農家などからブドウを買う蒸留所が集まっている。逆に言うとシアトルから車で30分ほどでテイスティングがいろいろ楽しめるわけだ。スノコルミー滝とペアでシアトル近郊の自然とワインを楽しむパッケージは、気軽に行けて満足度が高そう。

 宿泊は、これもシアトル北東部で通勤圏内にも入るエリアというケンモアで、緑豊かなセント・エドワード州立公園内に、1931年に建てられた神学校をリノベーションしたという「ザ・ロッジ・アット・セント・エドワード・パーク」(84室)。外観は、ロマネスク様式の重厚感のある建物で、天井が高くアートが飾られた回廊や今はバーとして使われている神学校時代の理髪店など、まるでホテル全体がミュージアムのよう。

歴史を感じさせる建物。狭い螺旋階段を登って上がる塔屋には、鐘が残っている。
廊下には地元アーティストの作品や、1930年代の神学校時代やリノベーションの様子がわかる写真が飾られている階も。
神学校時代の理髪店の名残が入り口に。ローカルのワインやジンなどスピリッツも揃えたバー。時にはギターの生演奏など。

 摩天楼の街シアトルからこんな近くで、タイムトリップしたような感覚が味わえる滞在体験ができるのは驚きだ。元学生寮をリノベーションした客室は、23㎡のキングサイズベッドルームから66.7㎡のスイートまで、アメリカのホテルとしてはコンパクトながら、クラシックな雰囲気を活かしたシンプルモダンなインテリアで快適だ。バスタブ付きの部屋は5室。

 スパやレストランも充実しており、レストラン「シダー+エルム」のシェフは、アメリカ料理界のアカデミー賞と言われるジェームズ・ビアード賞を受賞したこともある。ワシントン州の豊かな食材を使った料理が人気だ。

ドーム型の大きな窓、広々したダイニング「シダー+エルム」
アメリカンな朝食にはベリーがたっぷり。ほかに中華風チキンのお粥や、メキシカンなブリトーなども。
シアトルのダウンタウンから車で30分のアクセスで自然に囲まれた贅沢な体験を日本の皆様にも知ってほしいという総支配人のコーリー・ルトガー氏。

 シアトル近郊でのワイナリーやリゾートホテルでの体験は、空港やダウンタウンからのアクセスのよさと質の高さが印象的だった。シアトル視察の後編では、文化施設などが集中するシアトルセンターや市場歩きなどの市内の魅力をお届けする。

取材協力/Visit Seattle
コーディネート/松田京子