オーストリア・南ドイツの広域ツーリズム「ジュエルズ・オブ・ロマンチック・ヨーロッパ」がセミナーを開催
このほどオーストリアのザルツブルク地方やチロル地方、南ドイツのバイエルン地方にまたがる広域ツーリズムグループ「ジュエルズ・オブ・ロマンチック・ヨーロッパ」(以下「ジュエルズ」)が来日。東京・大阪で旅行会社向けに富裕層やMICEなど、それぞれテーマを設けたセミナーを行い、全日程で約90人が参加した。また「ジュエルズ」は2023年8月から窓口となる事務所を立ち上げより積極的に情報発信し、日本市場にアプローチをしていく考えだ。
6団体が来日
ミュンヘン/日本フライト再開を強調
今回来日した「ジュエルズ」はオーストリアのチロル地方、ザルツブルク地方と南ドイツのバイエルン州にある、空港や観光局、ホテル登山鉄道など、12団体で構成されるグループ。約20年前に北米や日本を含むアジアなど、ロングホール市場に対するプロモーションを目的に結成し、PR展開を図ってきた。日本訪問は2019年以来4年ぶりとなる。
この「ジュエルズ」の特徴はミュンヘン空港をゲートウェイとして、バイエルン州、チロル地方、ザルツブルク地方の主要な観光地を一筆書きで巡る周遊ルートを提案している点。今回はドイツからはミュンヘン空港、ツークシュピッツバーン、エッタール修道院/クロスターホテル・エッタール、ザルツブルク地方からはザルツブルク市観光局、チロル地方からスワロフスキー・クリスタルワールド、インターアルペンホテル・チロルの6団体が来日した。「ジュエルズ」を取りまとめているミュンヘン空港航空事業部シニアマーケティングマネージャーのサビーナ・メイ氏は「また来日することができてうれしい。日本とミュンヘンを結ぶ路線は2023年3月からルフトハンザ航空(LH)が羽田/ミュンヘンを週7便、全日空(NH)が週3便で、5月からはミュンヘン/関空が運航再開し、フライト数も増えてきた。空港では自動化ゲートの設置など利便性の向上にも取り組んでいる。ぜひ、ジュエルズ・オブ・ロマンチック・ヨーロッパの質の高い素材を商品造成につなげていただきたい」と語った。
復調傾向のザルツブルク市
特別感のある体験プログラムを提案
今回観光局として唯一参加したザルツブルク市は、モーツァルト縁の町、映画『サウンド・オブ・ミュージック』の舞台、あるいはザルツカンマーグートへの拠点としてなど、日本市場には非常に人気の高いデスティネーション。ザルツブルク市観光局のセールス&マーケティング・マネージャー、クレメンス・コレンツ氏によるとコロナ禍前の2019年に同地を訪れた日本人の宿泊数は6万3000泊で外国人客の上位10カ国に名を連ねていたが、2022年は5411泊にとどまっている。しかしながら「1月のモーツァルト音楽祭、8月のザルツブルク音楽祭など、日本人客が戻りつつあることを実感している」。日本市場とアメリカ市場は外国人観光客のなかでも、特別感のある体験プログラムを望む傾向がとくに顕著であることから「博物館の閉館後のコンサートなど、既存の素材にプラスアルファを加えることで、素材や街の魅力の再発見につながるようなプログラムを開発、提案していきたい。ハイエンドユーザーやMICEなど、質の高い客層を獲得しながら、市場回復の糸口をつかんで行ければ」と話している。