【労務のいろは】令和5年度 中小企業が使える助成金・補助金

  • 2023年5月15日

 新年度を迎え、様々な助成金・補助金の制度が発表されました。毎年、時代の流れや国の政策にあった制度に予算が多く積まれ、制度の新設や拡充などの動きがあります。

 早速、動向と制度について見ていきましょう。

■「賃金上昇」「人材育成」「労働移動の支援」に関する助成金に注目!

 今年度の助成金は「賃金上昇」「人材育成」「労働移動の支援」がキーワードです。個人の多様な働き方を実現し、それによる労働移動や人材育成からの能力・生産性の向上で労働市場を強化することで、賃金上昇に繋がる流れをつくることが厚生労働省の目的のようです。これにより中長期も見据えた雇用政策に力を入れていく意向です。

【業務改善助成金】
 事業場内最低賃金を30円以上引上げ、生産性向上を目的とした設備投資を行った場合にその取り組みにかかった費用の一部を助成してくれます。
出典:令和5年度 厚生労働省予算案の主要事項より
(https://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/yosan/23syokanyosan/dl/01-07.pdf)

【人材開発支援助成金】
 雇用している労働者に対し、職務に関連した知識や技能を習得させるための職業訓練等を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成してくれます。

 「人への投資促進コース」の助成率引き上げ、「事業展開等リスキリング支援コース」の新設など、労働者の全体的な能力底上げを狙っています。中でもデジタル人材・グリーン化に対応できる人材育成は高率助成となっています。
出典:令和5年度 厚生労働省予算案の主要事項より
(https://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/yosan/23syokanyosan/dl/01-07.pdf)

【労働移動支援助成金(早期雇入れ支援コース)】
 事業縮小等に伴い離職を余儀なくされる労働者に対し、離職後3か月以内に期間の定めのない労働者として雇い入れ、継続雇用することが確実である企業に対して助成されます。また、雇い入れ前より5%以上の賃金上昇、職業訓練の受講をさせた場合は加算もあります。
出典:令和5年度 厚生労働省予算案の主要事項より
(https://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/yosan/23syokanyosan/dl/01-07.pdf)

【産業雇用安定助成金(事業再構築支援コース)】
 「事業再構築補助金」の交付決定を受けている企業が、当該事業再構築に必要な新たな人材を雇い入れた場合に助成されます。

 対象労働者の条件として、「専門的知識や技術が必要となる企画・立案、指導の業務に従事する者」または「部下の指揮や監督する業務に従事する係長相当職以上の者」とあり、要件を満たすのは難しいかもしれません。しかし、助成額がとても大きいため要件を満たせる企業は申請することをおすすめします。

助成額
中小企業中小企業以外
280万円/人
(6ヵ月ごとに140万円×2期)
200万円/人
(6ヵ月ごとに100万円×2期)