クルーズ=高い?広がらないクルーズ旅に「業界でインフルエンサーマーケティングの活用を」-CRUISE Ism代表 久野健吾氏
昨年11月の国際クルーズ船受入再開の発表を機に、現在各港で続々と外国船の寄港が始まり今後の本格的な復活が期待されるクルーズ業界。長きにわたりクルーズ業界に従事し現在フッティルーテンのアジア太平洋地区カントリーマネージャーを務める久野健吾氏は日本のクルーズ業界のマーケットについて「クルーズ旅=高い」という固定観念のせいでクルーズ人口が圧倒的に少ない、と語る。そんな現状を打破すべく久野氏が立ち上げたのがクルーズ旅のメディアコンシェルジュ「CRUISE Ism(クルーズイズム)」だ。今回は自身がクルーズ会社に勤める中、その他のクルーズ会社のPRも行う団体を立ち上げることとなった経緯や目的についてお話しを伺った。
-経歴等自己紹介をお願いできますでしょうか。
久野健吾氏(以下敬称略) クルーズとの出会いは1999年にフロリダで乗船したロイヤル・カリビアン・インターナショナルの当時世界最大客船ボイジャー・オブ・ザ・シーズでした。私自身当時はホテルマンになりたくて、フロリダでは通っていた日本のホテル専門学校のプロジェクトでウォルト・ディズニーワールドで研修をしていたのですが、その時のクルーズ旅が本当に衝撃的で「こんなスタイルの旅行を知らない日本人は人生半分損している」と本気で思っていました(笑)
私を含めホテルが好きな人は非日常な感じが好きという方が多いと思うのですが、その時のクルーズ旅にはこれまでの何倍もの非日常な空間が広がっていて、クルーズ業界に進みたいという思いが強くなりました。
その後、スイスのホテル専門学校を卒業後にアメリカのカーニバルクルーズラインで働くことになるのですが、海外にいながら日本ではなかなかクルーズ旅が広がっていないなと感じることが多く、日本でクルーズを定着させるには先ずは日本で働くべきではないかという思いもあり30歳手前に帰国して、その後は日本でクルーズ専門の旅行会社や海外のクルーズ会社の総代理店、ノルウェージャンクルーズラインホールディングスの日本支社立ち上げなどを経て、現在はノルウェーのクルーズ会社フッティルーテンのアジア太平洋地区カントリーマネージャー、日本・韓国代表及びクルーズイズムの代表理事 CEOを務めています。
-クルーズイズムについて、活動目的等概要をお聞かせください。
久野 クルーズイズムは日本のクルーズ顧客層の若年化を目的として、先入観や既成概念によって知らず知らずのうちにクルーズ旅を諦めている方、クルーズ旅を検索すらしない方々をターゲットに潜在的なクルーズ顧客層を掘り起こすためインフルエンサーマーケティングを活用した情報発信を行っています。
登録しているクルーズアンバサダー(インフルエンサー)とクルーズ会社のマッチング及び、情報発信を主な活動としていて、SNSからの発信はもちろんですが我々のウェブサイト上に掲載するクルーズ乗船ブログ記事による情報発信も行っています。SNSだけでは投稿がすぐに埋もれやすく発信できる情報にも限りがあると思いますので、そこをカバーできるようにブログ記事内で更に詳しい情報発信をしていきたいという狙いがあります。
また、その他の活動として「クルーズ旅のコンサルティング」や「クルーズ寄港地のPR」なども行っています。
運営としては私が代表を務めて、その他副代表が1名、事務局の運営メンバーとして6名が在籍しています。また、登録しているクルーズアンバサダーは現在70名以上、総フォロワー数300万人以上となります。昨年国への補助金申請も採択されて、同年9月に開設したウェブサイトの製作費の一部に充てました。また、近いうちに一般社団法人化もする予定です。(後日、4月3日に正式に一般社団法人化)