業界ニュースを振り返る ー 観光産業の給与と単価
今週はダボス会議に関する記事から、皆様様々なご意見を述べられているますが、やまとごころの村山氏のご意見が私としては色々と興味深いところ。
前提として、私は村山氏のご意見に全面的に賛成です。まず、宿泊単価を値上げではなくオプションプランで上げるというのは非常に良い手段で、宿泊者に選択肢があるというのも良いですし、宿泊施設側からすれば客単価を上げることができるのはもちろん、ネットで検索した際に宿泊料金としては抑えめのものが出るわけですから、ネットでの販路で強力に作用するでしょう。それに、旅先で気が大きくなっても高い宿や部屋には変えれませんが高いオプションをつけることはできることも多いでしょうから、宿泊者も施設も両者良しです。
それに、国内の旅行者にもいいことだと思います。宿泊施設は販売できる部屋数が限られている以上、客単価が高いインバウンドの旅行者を狙うことは経営戦略として当然ではありますが、一方でコロナでインバウンド客が来れなくなった途端に閑古鳥が鳴いた、爆買中国人をターゲットにした百貨店などの景色も記憶に新しいところ。海外からの旅行者は様々な要因で来れなくなる可能性が国内旅行者より高いわけで、リスクヘッジという意味でも国内旅行者にも常に一定数は利用してもらえるほうが良いでしょう。しかし全体的にインバウンドに向けた価格設定にしてしまうと日本人旅行者には厳しい価格になってしまいますが、オプションでなら緩急をつけることができますし、三方良しの策ですよね。
また、DMC天童温泉の話も面白かったです。というのも、私は過去に別で十勝のサウナ協議会に取材に行ったことがあるのですが、その時に聞いたお話も私が思っていたよりずっと少数で動かれていて、少々驚いたことを覚えています。つまり、地域全体を結果として巻き込むことは念頭に置いてもいいのでしょうが、動き出しは小さく素早く少人数でやれば全然良いとなれば(書いていて思いましたがまるっきりベンチャー企業の始まりそのものですね)どの地域にもチャンスがあるということ。
また、話は変わりますが大西氏が仰られている給与体系の見直しも気になるところ。3年間で給与を15%アップというのは働かれている方にも非常に励みになる目標ですし、今後観光産業に入る方々からすれば選ぶ大きな要因となります。
綺麗事は言おうと思えば色々言えますが、やはりお金は大事です。例えばマーケッターが転職の際に観光産業に興味があっても、同じ業務でウェブ業界なら年収1000万なのに観光産業だと400万だというのでは、ほとんどの人はウェブ業界に行くでしょう。でも、これが観光産業でも700万出るとなれば一定数は観光産業に入ろうという方もいらっしゃるでしょうし、他業界と全く同水準とは言わずとも、競争力のある給与水準になってほしいものです。