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就航開始する日本/イスラエル定期直行便、ANAとのコードシェアも?—エルアル・イスラエル航空アディ・レヴィー氏

  • 2023年3月3日

 エルアル・イスラエル航空(LY)は日本/イスラエル間における初めての定期直行便運行を3月5日より開始する。元々は2020年の3月に運行開始する予定だったが、約3年の延期の末今回の発表に至った。イスラエルは近頃周辺国の上空通過権を取得したという発表もある中、それに伴う各路線への影響や今回の日本路線開設の狙いなどについて、アジア太平洋地区マネージャーのアディ・レヴィー氏にお聞きした。

-まずは、自己紹介をお願いいたします。

アディ・レヴィー氏(以下敬称略) エルアル・イスラエル航空には1995年から勤めていて、2020年12月にアジア太平洋地区の地域マネージャーに就任しました。インドから東のエリアを担当しているのですが、今回の直行便就航を非常に楽しみにしています。

-今回の日本/イスラエル間の定期便開設について経緯や狙いを教えてください。

レヴィー 日本はイスラエルでも非常に人気のデスティネーションで、実際は2020年より前から直行便を飛ばしたいという声がありました。そんな中、2020年3月に就航を開始する予定でしたが、コロナの影響で延期となりました。

 コロナが落ち着いてくる中で、社内で再度「日本への定期便を開設したい」という声があがったことに加え、コロナ後は今まであまり行ったことのない場所に行きたいという需要が高まるのでは、という狙いもあり今回の発表に至りました。

 また、イスラエルでは日本のアニメや桜が非常に人気で、桜のシーズンに路線を開設することで日本行きの需要を取り込みたい狙いもあります。

今回発表された直行便スケジュール

-イスラエル行きの便におけるターゲットはどうお考えでしょうか。

レヴィー もちろん皆さんに来ていただきたい。従来より「宗教関係の渡航者」は多いのですが、期待しておりますのは「業務渡航」と「一般の旅行のお客様」です。イスラエルはフードテック分野が盛んであることや、スタートアップ企業の数は世界的に見ても多いので、業務渡航需要は高いと見込んでいます。首都のエルサレムは歴史的に非常に重要な場所で、三大宗教の聖地ですので訪れる人は多いのではないかと思っています。

 観光地としてはどうしてもエルサレムが注目されがちですが、北部には降雪地帯、南部には「エイラット」というリゾート地もあるので是非そちらにも来ていただきたい。また、昨年が日本とイスラエルの国交樹立70周年ということもありましたので、今後色々な取り組みを通して誘客を進められると思っています。

 レジャー需要としては実際に欧米各国、ロシア、豪州、ニュージーランド、タイ、南アフリカからの観光客は早い段階で回復していました。これはイスラエル国民のワクチン接種率が高いこともあり、世界でも早くに開国した国の一つであることが影響しています。

-日本路線の機内サービスについて教えてください。

レヴィー 映画や音楽などのエンターテイメントはもちろんですが、我々の思いとしては、成田空港出発の時点からイスラエルを体験していただきたい。「エルアル・イスラエル航空に乗ることはイスラエルを体験すること」と考えていますので、機内食ではユダヤ人の方々が普段食べているコーシャミールをご提供します。日本人の方々にも合うと思うので、是非機内からイスラエルを楽しんでいただきたい。


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