アパグループ 社長兼CEO 元谷 一志氏

  • 2023年1月11日

 明けましておめでとうございます。
 年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 2020年以降、新型コロナウイルスの感染拡大で、宿泊・観光業界がこれまでに経験したことのない逆風に曝されましたが、全国旅行支援や水際対策の大幅な緩和などの施策によって、昨年の秋頃から宿泊業界に対する需要は急速に回復してきました。その一方で、経済活動が正常化する中、宿泊業に限らずサービス業全体で人手不足が新たな課題となっています。当社においても、お客様だけでなく、スタッフにも選ばれるホテルになることを念頭に置きながら、処遇の改善やオペレーションの見直しに努めてまいりました。

 既に導入を進めていた自動チェックイン機も、お客様の認知度が高まり、このコロナ禍で利用率が大きく向上しました。さらに、アプリと連動させることでチェックインの手続を簡素化し、お客様の利便性を高めながら、スタッフの省力化も図って参りました。こうしたIT投資は省力化に寄与するだけなく、省力化してできた余力をお客様へのサービス向上につなげることで、お客様の満足度アップにつなげていきたいと考えております。

 また物価上昇の中で、スタッフが安心して働けるよう、昨年は1年間で2度のベアを実施するとともに、冬季賞与に支給においては、2019年度実績を上回る水準で実施するなど、積極的に処遇改善に努めてまいりました。

 日本はいずれ世界有数の観光大国になると考え、当社は2010年4月に「頂上戦略」を始動させて以来、東京都心を中心に全国主要都市でホテルを積極的に増やしてまいりました。コロナ禍においても出店ペースを変えず、積極的にホテルや開発用地を取得してきましたが、それは、ホテルへの投資はあくまで長期的視点に立って行うべきものだと考えていたからでした。

 アパグループは昨年4月に新体制に移行し、グループ社長兼CEOに就任いたしました。就任時より「Even Better! APA HOTEL」をモットーに掲げ、「1ホテル1イノベーション」を自ら課して、常に新しい価値を提供するホテルづくりに取り組んでまいりました。対処すべき課題はたくさんありますが、まずは稼働率が上がり、ホテルに活気が戻ってきたことを嬉しく思いますし、いずれコロナ禍以前を大きく超える方々が海外から日本を訪れてくれるものと期待しております。

 本年も、お客様のご期待を超える価値を提供し、我が国の観光業の発展に貢献できるよう、社員一丸となって取り組んでまいります。