HIS澤田会長「観光産業は人類にとって素晴らしい産業」海外旅行の完全復活はあと2、3年-新春インタビュー
これからの旅行会社は、差別化ができないと生き残るのは困難
旅行業全体が夢の持てる業界であれば、若い経営者が出てくる
海外旅行を主軸とするエイチ・アイ・エス(HIS)は、2022年も厳しい年となった。2022年10月期(2021年11月1日~2022年10月31日)の連結業績は、売上高が1428億円で増収となり、利益も大幅に改善したものの、最終的には赤字を計上した。しかし、5月からは海外ツアーを再開し復活への道筋は見えてきた。一方、ハウステンボスの売却など事業改革にも着手し、新規事業も継続して進めるなど事業ポートフォリオの拡充にも力を入れている。2022年の振り返りとともに、2023年に見通しなどについて、同社代表取締役会長 グループ最高経営責任者(CEO)の澤田秀雄氏に語ってもらった。(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)
澤田秀雄氏(以下敬称略) 2022年もコロナ禍で厳しかったが、旅行需要は若干戻ってきたと思っている。HISも昨年5月に海外ツアーの催行を再開したが、コロナ前に戻るのはまだもう少し時間がかかるのではないかと思う。ただ、順調に戻りつつあるという実感があり、現時点では回復に手応えを感じている。
ハウステンボスについては、昨年香港の投資会社が管理する 「PAG HTB Holdings」に売却した。それによって資金的にも余裕ができた。Go Toトラベルの不正受給は、子会社がおこなったもので、HIS本体は一切関与していないが、グループ全体のコンプライアンスの強化を進めているところだ。
澤田 アウトバウンドのレジャーが2019年レベルに戻るのは、まだ2、3年かかるのではないか。業務渡航は戻りつつあると思うが、コロナ前と同水準に戻るまでには3、4年かかるのではないか。
一方、インバウンドについては、浅草などの状況を見ると、欧米からの訪日客が戻ってきていると思う。2019年レベルに戻るのは、今後の中国の政策次第ではないか。ただ、インバウンドにとってもアウトバウンドにとっても、フライトが増えていかなければ、旅行者数は増えないだろう。
澤田 イタリアからクルーズ船に乗り、地中海をめぐりバルセロナまで約2週間の旅をした。船内では誰もマスクは着けていなかった。日本は欧州から6ヶ月ほど遅れているのではないかという印象を持った。今年も、長期に世界旅行に出かける予定にしている。HIS海外拠点の視察もしたいと考えているところだ。
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