【発行人コラム】2022年を振り返り、2023年を展望して
読者の皆さま、本年もご愛読、ありがとうございました。
私が生まれる前の事ですが1956年日本政府は「もはや戦後ではない」と経済白書にて宣言しました。これは前年の1955年にGDPが終戦から10年目にしてはじめて戦前の水準を上回り、復興期から高度成長期という新しい時代に入っていくのだと言う「明るい先見」を示したわけでは無く、戦後10年の成長を支えた復興需要という特需が無くなり、厳しい時代を迎えるとの憂慮を示したものだとされています。
しかし見事に、そして幸いにも文字通りこれは杞憂に終わり、日本は高度成長期へと入っていきました。
我々観光産業も1956年の日本政府にならい、雇調金をはじめとした各種補助金やワクチン接種・隔離に伴う受託事業、全国旅行支援による特需や事務局受託が無くなる前提で新しい未来を切り開いていく覚悟を示してこそ、浮かぶ瀬も見えてくるのだと思えてなりません。
新たな未来を切り開くことに専心し、変わることを厭わず、新たな価値を創造するために必要であれば国に支援も求める、それが真の意味で観光産業復活を実現する方法なのでは無いでしょうか。
来る2023年が観光産業反転攻勢の年となることを願いつつ、年間記事ランキングにて2022年を振り返って見ます。
上位30記事の内、JTBやHIS等大手企業及びJATA等業界団体関連が三分の一を占めています。これは大手企業の社員の方々の読者数やネームバリューによる注目の結果として、例年ほぼ同じ傾向となります。
先ず注目したいのは4位・5位に入った「仕事を変える」シリーズで、一方は大手旅行会社からの観光産業内での独立、もう一方は異業種、それもアナウンサーからの観光産業への転身の記事です。これは個人でも変わる必要や希望を持っている方がそれなりに居られ、それも産業内での転身をイメージしているとすれば、喜ばしいことだと思います。また「会計士の視点」や「弁護士に聞く」等の独自コラムが複数上位に入った事は発行人としては嬉しい限りです。
そして最も注目していただきたいのが7位にランキングされた「旅行を売りたければ旅行以外を売る」と題したシティツアーズ日比社長の記事です。中部では知名度が高いものの、失礼ながら全国的に社名が知られているわけでは無いにも関わらず、並み居る大手企業のトップインタビューを押さえ、インタビュー部門では堂々の1位となりました。
コメントにも有るように、日比社長の取組が本当に参考になった、大手以外でもコロナ禍中でもしっかり利益を出せる事を知り希望が持てた等々読者の方々に自分ごととして読んで頂けたのでは無いかと思います。
来年以降ももちろん大手やピカピカのベンチャーの動向もお伝えしていきますが、中小規模や個人の方にも参考になる記事も数を増やして、お届けしたいと思っております。
先に発表させて頂いた通り、当社は一部事業を譲渡しますが、当トラベルビジョンや客室の買取事業、コロナ禍に着手した新規事業に集中し事業を行って参りますので、今後とも当社エフネス及びトラベルビジョンに変わらぬご支援をお願い申し上げます。
皆さま、どうぞ良いお年をお迎え下さい。