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AFが日本就航70周年、需要回復を見据え増便、羽田には新機材も

  • 2022年12月5日

 エールフランス航空(AF)は11月27日、日本就航70周年を迎えた。同社はこれを記念して記者会見を開き、これまでの足跡を振り返るとともに、今後の事業展開や来年夏期の運航計画を発表した。

AFのアンリ・ドゥ・ペイルロング氏(左)とボリス・ダルソー氏(右)

 エールフランスKLMグループ取締役執行役員副社長のアンリ・ドゥ・ペイルロング氏はコロナ禍を振り返り、2020年に落ち込んだ需要は国内や地域間の需要の高まりで徐々に回復し、2022年夏には国際線は2019年同期比70%まで、国内線は同90%まで回復したと説明。現在のトレンドとしては日本へのインバウンドが回復基調にあり、今後は日本から海外に向けての旅行需要も高まってくるとの予測を示した。同氏はアジア圏の需要回復の遅れを指摘したうえで、「AFにおいて日本市場は非常に重要な鍵となる市場だ。まだコロナ前の需要に戻ってきてはいないが、日仏間の乗客者数はまだまだ伸びてくると思っている」と強調した。

23年夏スケジュールで増便、ファーストクラスも復活

 AFはコロナ禍中も東京・大阪/パリ線の運航を継続してきたが、10月の水際対策の緩和を受け、2023年夏期スケジュールでは運航数と座席数を増加する。羽田線は現在、夜便を週5便運航しているが、2023年夏期スケジュールでは1日1便に増便。また、昼便も週3便から4便運航し、最大週11便を運航する予定だ。

 成田線については現行の週3便を維持する。同路線はニューカレドニアを目的地とする旅客の利用が主体だといい、便数を継続することで乗り継ぎと貨物需要に応える考えだ。AFの日本・韓国・ニューカレドニア支社長ボリス・ダルソー氏によると「エアカラン(SB)の状況により将来的には増便も視野に入れるが、成田便の増便は日本発の旅行需要を鑑みてとなる。お客様の要望は羽田便が多い」という。

 羽田線には新しいビジネスクラスを48席搭載したB777-300型機を導入する。新ビジネスクラスは全長2mのベッドになる「フルフラット」、全席通路側の「フルアクセス」、スライドドアが付いてプライバシーを保てる「フルプライバシー」の「3つのF」が特徴だ。提供を休止していた4席のみのファーストクラス「ラ・プルミエール」も4月から再開を予定している。

 関空線については23年夏期スケジュールからは週5便に増便し、A350-900型機で運航する。

サステナブルな運航に向けた取り組み

 AFでは、2030年までに旅客キロあたりのCO2排出量を2019年比で30%削減することを目標に掲げ、燃費効率のよい新機材の導入やSAFの利用を進めている。現在フランス/オランダ間のSAFの使用率は約1%だが、 2030年までに10%へ引き上げていく考えだ。より燃料消費が少なくなる運航も目指すといい、機内では搭載重量の軽減やより環境に優しいケータリングの利用、水の節約、地上では電気車両の導入や1つのエンジンでの運航なども検討している。ペイルロング氏は「サステナビリティ対応の分野でリーダーシップを取っていきたい」と意欲を示した。