デルタ、冬ダイヤで大幅増便「日本は最重要マーケット」、ハワイは来年3月から
デルタ航空(DL)は11月29日、旅行会社向けにセミナーを開催した。同社としてはコロナ禍以降初となる対面セミナーで、今後の需要回復に向けて最新のスケジュールやネットワーク、プロダクト、サステナビリティへの取り組みなどを説明した。
挨拶に立ったアジア太平洋地区副社長のマテオ・クルチオ氏は、アジア太平洋地域のマーケットについて「各国政府の渡航制限により回復が遅れていたが、先に国境が開いた韓国や豪州では著しく回復してきている」と分析。日本路線の座席供給数も22年上期は19年比で20%にとどまったが、下期には同50%まで回復してきているという。クルチオ氏は「日本はDLにとって最重要マーケットの1つであり、今後もそうであることを約束する」と述べ、旅行会社の販売に感謝の意を示した。
冬期スケジュールでは日本発路線を大幅拡大
DLの日本路線はコロナ禍で減便が続いていたが、水際対策の緩和を受け、22年冬期スケジュールより大幅に増便。羽田/シアトル・アトランタ・デトロイト線は1日1便、名古屋/デトロイト線は週3便運航している。冬期スケジュールから再開した羽田/ロサンゼルス線は、現在は週3便だが、23年1月8日からは週5便、3月8日以降はデイリーで運航する計画だ。
DLでは大韓航空(KE)とのジョイントベンチャーにも積極的に取り組んでおり、現在日本/仁川は12都市、仁川/米国は14都市が共同事業の対象路線となっている。仁川空港では入国審査や預入手荷物の受け取りが不要で、日本の空港での乗り継ぎと同じ感覚で米国へと入国することができるといい、同社では日米間の渡航の選択肢として推進している。
なお、羽田線ではB777型機やB767型機を退役させ、全便を燃費効率の良いA350型機とA330型機で運航している。機内のプロダクトはデルタ・ワン スイート(ビジネスクラス)、デルタ・プレミアムセレクト(プレミアムエコノミークラス)、デルタ・コンフォートプラス(レッグルームの広いエコノミークラス)、メインキャビン(エコノミークラス)の4種類。デルタ・ワン スイートは、スライド式のドアが付いた個室タイプで、全席通路側アクセス可能な座席配置だ。名古屋/デトロイト線は個室タイプではないデルタ・ワンの仕様だが、こちらもフルフラットのシートを採用している。
米国主要空港の状況
DLではコロナ禍中、羽田空港のスカイクラブラウンジの開設のほか、ニューヨーク、ロサンゼルス、シアトルなどの主要空港を中心に投資を行ってきた。シアトルでは新しい入国施設をオープンし、国際線から国内線への乗り継ぎ時間が90分から最短75分へ短縮された。ロサンゼルスではDLが利用するターミナル3の改修工事を行い、チェックインエリアやターンテーブルエリア、保安検査場が拡大された結果、待ち時間が短縮されたという。また全米最大級のラウンジもオープンしている。
サステナビリティへの取り組み
DLではCO2排出ゼロを目指し、10億ドルを投資して燃費効率の良い最新機材への転換や環境に配慮した機内サービス用品への転換、効率よい飛行ルートの選定、SAFの推進などに取り組んでいる。SAFについては生産コストの高さが課題のため、協賛企業や旅行会社を募り、流通量を増やす方策を検討している。
また機内サービス用品では、使用プラスチック量の削減や食器類の重量減による燃費の向上に加え、デルタ・ワンのアメニティキットではプラスチックを使用しないメキシコのハンドメイド製品を採用。こうした取り組みは現地での雇用を創出し、地域社会への貢献にもつながっているという。
羽田/ホノルル線の就航は23年3月
今月から就航を予定していた羽田/ホノルル線については、23年3月26日(ホノルル/羽田は3月25日)から運航を開始する予定だ。また、運休中のミネアポリス、ポートランド線についても、23年夏期スケジュールからの再開を予定している。