地域に分け入るJAL社員たち~山口県・後編~
番外編・山口県美祢市
美祢市観光協会 プロモーション・ツアー・マーケティング企画グループ プランニングマネージャー 山口美津子さん
前回のインタビューで、美祢市は秋吉台、秋芳洞に代表される世界レベルの観光資源を有するも、関西、首都圏からの来訪者は全体の20%弱と全国区ではない課題をお話しました。その後、美祢市観光協会では「秋芳洞」への誘客を目標に掲げ、「夏涼17℃」「冬暖17℃」キャンペーンや繁忙期の対策など、観光客のニーズにお応えする企画を計画しています。また、これまでアプローチできていなかった客層の獲得を目指して、新たな「美祢市観光ガイドブック」を製作しました。
美祢市観光協会では旅ナカ活用を目的に、鞄に入るA5サイズの「観光パンフレット」を製作してきましたが、旅マエの関西・関東圏へのプロモーション効果は低かったため、今回はサイズはA4版、表紙は見開きの秋吉台。22ページの完全版と見開き8ページのダイジェスト版の2種類を製作し、「旅マエ」「旅ナカ」そして「旅アト」にも使える内容に仕上げました。
テーマとして1番こだわった点は「美祢愛♡」。「MINE LOVER」を増やしたい。そんな想いを込めて製作したのがこの美祢市観光ガイドブックです。特に、観光客目線を徹底的に追求し、美祢市の大自然が伝わるスケールの大きい写真と写真に添える言葉は店主の想いを代弁する気持ちで、感じたままに書きました。
もう1つのこだわりはデジタルの活用です。「すまっぽん!®」を導入したことにより、暗くて湿気が多い洞窟でも携帯画面でガイドブックや最新情報をチェックできるようにし、QRコードを読み込めば、ワンクリックでインスタグラムやFOODなどの最新情報をゲットでき、ホームページのアクセス数拡大にも繋げています(但し、洞窟内はWi-Fi環境が脆弱なため事前にダウンロードが必要です)。
ガイドブックを通して、都会にはない古き良き日本と美祢ならではの新感覚で感じていただけたら嬉しく思います。最近は有名リゾートホテルさまでもご活用いただいております。また、美祢市観光協会ホームページの「パンフレット」からもダウンロードできますし、JALプラザ東京・有楽町、山口宇部空港JALカウンター、福岡空港JALカウンターにも配備しています。
協会の強みは、観光・宿泊事業者、商店街や地元の方々との繋がりです。こうした繋がりを活かし、これまでご縁がなかった人と人を繋げ、新しい価値を創造することも役割だと思っています。今年は人手不足を補うため、美祢市の特産品「秋芳梨」の収穫ボランティアをJAL社内で募集し、20名の社員が梨農家さんに入りました。参加した社員たちは、東京で梨を見ると梨農家さんの顔が思い浮かび、体験したことで価格が適正かを考えるようになったとのこと。そして嬉しいことに「1年を通して手伝いに行こう」と話しています。「モノからコト」とよく言われますが、「コト」だけではなく「コトとヒト」そして、そこには「繋ぐヒト」も重要だと思います。
現在、私が所属しているJAL公認社内ベンチャーチーム「W-PIT(ダブリューピーアイティー)」と「雨風太陽(前ポケットマルシェ)」の共創プログラム「青空留学」を美祢市にて実施しています。都会の学生とJAL社員がチームで地方の一次生産現場に飛び込み、地域の生活や生産現場から「生きる」を学び自分自身を見つけ発信していきます。地域の課題解決に挑みながら、「都市と地方をかき混ぜる」本気の取り組みで、こちらは今年度、東松島市と美祢市で、あと2回ずつフィールドワークを予定しています。学生たちの本気の取り組みと発信に是非ご期待ください。
観光業界の皆さま!これからも地域の魅力発信のため、新しい企画をどんどん発信して参りますので引き続きよろしくお願いいたします。