海外旅行は行きたいけれど、最初の一歩を阻むのは「不安」、Z世代が旅行会社に求めるものは?

コロナ明けの初海外は王道の旅行先が人気
手軽さよりも丁寧なケアを重視

海外旅行の不安を取り除くには

笹原さん

 続いて、アンケートでは300人以上から「海外に対する漠然とした不安」があるというコメントが寄せられたことを受け、海外旅行で不安なことは何かを質問。コメントでは言語への不安が最も多かったが、海外渡航経験もありTOEICのスコアは720点だという笹原さんも第一に言語への不安を挙げた。

 現地での不安を軽減するために、旅行保険も重視する。門脇さんは「充実した保険を利用することで言語や文化の壁がある地でも安心して滞在できる」、望月さんも「自分で海外旅行を予約したことがないので、第一に安心して旅ができることを重視したい。海外に慣れるまでは、ホテルの充実などより、現地でのサポートや言語面の負担を軽減してくれる保険の充実にお金をかけたい」という。この答えを受けて野々村氏は「保険に入ることは当たり前だが、Wi-Fiなども含め、丸々パッケージツアーに含まれていることも安心の材料になるのではないか」と提案した。

 調査では個人旅行は不安なのでパッケージツアーを利用するという回答が約6割を占めた。そこでパッケージツアーを選ぶ場合、まずどこで調べるかを質問したところ、望月さんと門脇さんは大手旅行会社のサイトと答えた。「基礎知識がないので大手のサイトで調べることで判断基準にしたい。海外旅行の場合は店舗でも相談できる方が安心感があるので、実店舗があることも選ぶ理由の1つ」(望月さん)。一方、中戸川さんは「まずはGoogle検索で『目的地+やりたいこと+ツアー』などで検索し、出てきた順に怪しくなさそうなところから選ぶ。大手旅行会社のプランがあれば優先して検討するが、あまりに高すぎる場合は使おうとは思えない。安全面・安心面も非常に大事だが、コストパフォーマンスも重要視する」と答えた。

 会場からは「修学旅行やゼミ旅行は不安を取り除くきっかけになるか」という問いが投げかけられた。高校の修学旅行先が台湾だったという門脇さんは「学校行事という縛りが大きく、あまりきっかけにはならなかったのではないか」と答えたが、中戸川さんは「私は逆。修学旅行はハワイに行ったが、飛行機に初めて乗る人も多く、ハプニングも色々あったが価値観が変わったという人も多かった。海外への修学旅行や訪日教育旅行の受け入れを推進して、若いうちから異文化交流を重ねていくことで、その後の海外旅行への抵抗感は少なくなっていくのではないか」と答えた。

Z世代の海外旅行促進に必要なこと

 安心・安全とコストパフォーマンスの双方を重視するZ世代に海外旅行に行ってもらうためにはどうすればいいか。門脇さんは「友達と一緒に行くことで不安が軽減される経験をした。同世代や友達を巻き込んで行けるプランがあるといいのでは」と提案した。高校時代の友人には海外旅行に行きたくないという人が多かったが、Instagramでパリの研修旅行のリール動画を作って公開したところ、「一緒に行ってくれるなら行きたい」と言ってくる友人が複数いたという。「企業側が宣伝をするというよりも、知り合い同士が薦める方がいいのではないか」。

中戸川さん

 コストパフォーマンスも重視すると答えた中戸川さんは「抜群に充実したツアー内容よりも、ある程度の内容で安いことが重要。Z世代はInstagramで情報収集するので、現地の観光スポットを調べることは得意。どちらかというとホテルや交通機関の手配や現地でのトラブル対応を不安に感じるため、そうしたサポートを充実させるべき。1日丸々のツアーよりも、ハワイのトロリーのように、大体の観光地に行くことのできる無料の交通機関があると魅力的に感じる」と語った。

 笹原さんも旅行の内容は自分達で考えたいという傾向が強いという。「初めの一歩を踏み出すために、充実したサポートがあることが魅力になる。最安値よりも安全面のサポートがある方が親の理解も得やすい」。

 望月さんも「安価過ぎず、清潔感のあるホテル、日系エアライン、現地でのサポートが含まれる安心を第一にしたパッケージツアーがあると、より手に取りやすくなると思う」という。また、旅慣れてきたら、LINEで24時間問い合わせがでる、コールセンターがあるなど、携帯1つで済むようなサービスがあると魅力的に感じるのではないかとも提案した。