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着地型旅行商品のエキスパートとして「観光客までつくる」-フィールドデザイン林光太朗氏

  • 2022年10月21日
-企業理念に「観光客までつくる」を掲げています。制作会社やコンサル会社は数多くありますが、そこまで言い切る企業は異例です。

 実は昨年までは「観光客に喜ばれる観光をプロモーションする」を掲げていましたが、今年からは「観光客までつくる」と一歩踏み込みました。観光分野に特化した企業としてノウハウの蓄積が進み経験あるスタッフも育ち、制作のクオリティが上がりました。旅行業登録も取得しました。それもあって「観光客までつくる」まで踏み込みました。

 また観光協会との仕事もしますが、着地型商品を作りっ放しでは成果につながりません。フィールドデザインは予約システムもあるので、本当の意味で観光協会と二人三脚で取り組めます。ホームページを作って終わりではなく、そこに掲載するコンテンツも一緒に開発し、予約システムでアウトプットもする。そこまでできる制作会社は極めて珍しいはずです。

-映像が持つ観光振興への影響力についてどう考えていますか。

  動画や映像は今や観光プロモーションに欠かせないコンテンツです。写真も効果的ですが、映像は音や動きも加わり時間軸の要素も組み込めるので、写真より短時間で多くを伝えやすく、映像を観た人が旅行に出かけるアクションにつながりやすいと思います。

 映像では人物を映り込ませることにこだわっています。観る人に自分事として感じてほしいからです。映像を通して疑似体験し、そこに自分を投影する。それが行ってみたい気持ちにさせてくれます。

-映像に出てくるモデルさんも自社で手配するのですか。

 基本姿勢として映像は自由に使ってほしいため、プロのモデルより、権利関係をクリアしやすい関係者や一般の方にモデル役をお願いすることが多いです。フィールドデザインの自社ブランドとして制作した映像は、自由にリンクを貼ってもらって結構です。旅行会社、行政・自治体などに観光を盛り上げる目的で使ってもらうのが狙いです。

-YouTubeでも番組を持っていますが、その目的は。

 まだまだフォロワー数も少なくチャレンジの1つです。観光の映像には2種類あり、1つはプロモーション映像。旅行を考えていない人が旅マエに観て、「きれいな景色だな」「どこか調べてみよう」と考えてもらうのが目的です。そんな目的で制作しているのが自社ブランド映像の「今すぐ出かけよう、30秒の旅へ。30 seconds trip」です。この「30 seconds trip」は皆さんに自由に使っていただけます。

 もう1つはどこへ行くか候補地がある人に対して、具体的にどんな店がありどんな体験ができるかといった詳しい情報を提供するためのものです。旅行をほぼ決めている人の背中を押す狙いの映像です。YouTube番組の「長野県を旅する/ナガトリチャンネル」はこの目的で開設しました。

 良い映像を作ることも大切ですが、いかに多くの人々に観てもらうかが最も重要です。当社では三菱地所系のベンチャー企業spacemotionと連携し、大手町ビル、新東京ビル、オリナスタワーといった三菱地所や東京建物など日本有数のデベロッパーの都心オフィス物件を中心に、約2000台ののエレベーターに設置されたモニターで「30 seconds trip」の映像を流しています。東京の方はぜひご覧になってみてください。

-着地型商品の企画・造成をする際のコンセプトを教えてください。

 4つあります。1つ目は設定期間を長く取りロングスパンの商品にすること。2つ目は申し込めば必ず参加できる環境作りで、具体的には最少催行人数を1名か2名にすること。3つ目は消費者ニーズを捉えた価格設定にすること。自分だったら購入するかを意識しています。4つ目は最も重要な点ですが、地域の独自性を活かしたプラン作りです。

 私が企画に関わった着地型商品として黒部峡谷パノラマ展望ツアー、お伊勢さん観光案内人、新湊「かに小屋」、竜王マウンテンリゾート「ウラソラテラス」がありますが、今年発売したばかりの「ウラソラテラス」を除けば、いずれも数千人から数万人の販売実績があります。

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