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旅行業界は三歩進んで二歩下がる?!-RT Collection 柴田真人氏

  • 2022年10月24日

 第22回目のコラムは、「旅行業界は三歩進んで二歩下がる?!」をテーマに書いてみたいと思います。

海外旅行の復活はまだまだ?

 最近、旅行会社の企画担当者と話す機会がとても多くなりましたが、日本人の海外旅行について、年末年始や年明けの1~3月の予約状況を伺うと予想以上に状況はよくありません。円安や燃油サーチャージの高騰により、旅行者の意欲が戻っておらず、さらに全国旅行支援の開始するタイミングもあり、国内旅行に意識が向けられている可能性が依然として高い状況にあります。

 一方で、日本人の海外旅行について良い話もありました。先日、海外専門のブティック系の旅行会社の代表の方とお話をする機会があり、コロナ前の2019年の同月比でもすでに90%まで数字を戻していて、さらにトラベルコンサルタントを増員し体制を整えているということでした。その背景には、コロナ禍でも海外視察を通して現地を実際に見て、最新情報の発信を続けていたため、問い合わせを多く取ることができ、受注につながっているようです。

 競合他社の露出が減ったことにより、問い合わせが集中した可能性もありますが、少なくとも需要が戻るタイミングに情報発信や露出を続けることはとても大事です。

コロナ禍を経ても変わらない業界の習慣

 さて、本題です。10月11日からの水際対策緩和により、外国人の新規入国について、日本国内に所在する受入責任者による入国者健康確認システム(ERFS)による申請を求めないことに加えて、外国人観光客の入国についてパッケージツアーに限定する措置がようやく解除されました。先月はERFSの登録作業に時間を多く割いていましたが、近いうちにこの作業もなくなるだろうと予想していたため、ようやくなくなりホッとしています。

 8月下旬から水際対策緩和の報道が段階的にされてから、インバウンドの問い合わせが大幅に増え、ようやく明るい兆しが見え始めました。コロナ禍の約2年半はホテルの手配をしてもキャンセルやリブックを繰り返していましたが、予約後に支払いまで行うことになったのは久しぶりです。また、アクティビティ会社やガイドにツアーの依頼をして催行するようになったのもうれしい限りです。

 インバウンドの問い合わせが大幅に増えたことで、旅行会社の現場のスタッフはとても忙しく過ごしています。それでもコロナ前の数字と比べるとそれを超える数字ではありませんが、スタッフが忙殺されている理由はとても単純で、ホテル業界と同じように人員不足によるものです。コロナ禍でスタッフの数が減った中、急激に問い合わせが増えたことで1人当たりの対応する問い合わせの数や業務量が増えました。また、日本政府が2~3週間先のロードマップしか示さないことで、サプライヤーがコロナ禍にストップしていたサービスについて再開時期のタイミングを判断することがとても難しく、急遽再開を決めざるを得なくなり、旅行会社もそれに合わせて変更手配をかける作業が増えています。

 そんな人手不足の中、私もオペレーションのヘルプを現在行っていますが、旅行業界や観光業界の良くも悪くも変わらない習慣に直面することがあります。