【シンガポール現地レポート】パンデミック終焉へ、入国者数は順調に回復、現地旅行会社の日本人求人事情も
シンガポール在住11年目の石原真です。2022年はシンガポールの現地レポートを4回に分けてお送りしています(バックナンバーこちらより→第1弾、第2弾、第3弾)。
さて、2020年のコロナ感染拡大から約2年半弱が経ち、シンガポールの日常はほぼ正常に戻っています。8月の建国記念日前後にシンガポール政府は公共交通機関内と医療施設内以外のマスク着用義務を実質撤廃しました。この発表でコロナに関する規制に起因する不便さやストレスを感じることも無くなり、シンガポールとパンデミックとの戦いは遂に終焉を迎えたと言っても過言ではないでしょう。
終焉を迎えたと判断すればビジネスハブと観光立国の両面を持つシンガポールの動きは俊敏です。出張者、観光客誘致の促進に向けて早々にワクチン接種者の入国を簡易化し、現在では一定条件でワクチン未接種者も入国できるようになっています(最新の入国ルールの確認はこちら)。それらの動きに伴い入国者数は順調に回復しています。今年1月の入国者数は5.7万人程だったものが7月と8月には約73万人と激増しており、コロナ前の2019年の50%まで戻ってきています。
また、シンガポールの水際対策が緩和されると周辺諸国も同様の動きを見せた為、国籍別の入国者数はシンガポール周辺諸国や経済の結び付きの強いインドネシア、マレーシア、インド、オーストラリア、ベトナムなどが圧倒的に多いようです。ちなみに日本からの入国者数は2022年1月から8月までで約5.2万人程と、まだコロナ前の10%弱の水準です。日本は第7波がようやく収束したと思いきや急激な円安に見舞われているので日本から観光客が戻るのはまだ先になりそうですね。
一方、ホテルの稼働率に関しては6月頃から80%近くまで戻ってきており、これはコロナ前2019年の稼働率(約80%から85%)とほぼ同等のレベルと言えます。ただ前述した通り入国者数はコロナ前の50%しかありません。Singapore Tourism Analytics Network (Stan)の統計を参考に調べたところ、面白いことにコロナ前に比べてコロナ後の現在の方が1滞在あたりの平均宿泊日数が倍になっていることです(コロナ前は平均約3泊、現在は平均約6泊)。これに加えてシンガポール国内居住者のステイケーションの流行も考慮すると、現在の国内ホテルの稼働率の高さも納得できます。
またシンガポールがコロナからの復活を更に印象付けたのが、10月1日から3日に2年ぶりに開催されたF1シンガポールGP(シンガポール市街地コースのナイトレース)です。今回のF1には過去最高の30万2000人を動員したとのことで、相当な盛り上がりを見せました。イベントやカンファレンスの開催にもシンガポールは積極的です(筆者はモータスポーツには興味がなく、F1に行っておらず画像がなくてすみません!)。
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