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アメリカの「今」を駐在員の視点からーオレゴン州、ご当地ワインと地産食材の食べ歩きはいかが?

  • 2022年10月17日

 この記事が出る10月中旬頃は、秋の行楽・旅行シーズン。筆者の個人的な意見として1年のなかで過ごしやすい気候で一番旅行に適した時期かと思っていますが、皆様はいかがでしょうか? 今回は「食欲の秋」として、当地アメリカの食文化・ワインをご紹介させていただきます。今後の海外旅行の行先の1つとして参考になれば幸いです。

オレゴンワイン

 今年の7月にはアメリカ国内では初めて世界陸上が開催され、日本でも認知度が増したオレゴン州。アメリカのワインと言えば、カリフォルニア産(ナパバレーなど)を思い浮かべる人も多いかと思いますが、オレゴン州も全米第4位のワイン生産量を誇り、特にピノ・ノワールは高品質として世界中に多くのファンを持ちます。

 オレゴン州はワイン生産量全米1位のアメリカ西海岸カリフォルニア州と全米2位のワシントン州の間に位置し、世界的にもワインの名産地として有名なフランスのボルドーやブルゴーニュ地方とほぼ同じ緯度(北緯45度)にあります。太平洋の寒流による影響もあり、年間を通じ気候は比較的冷涼で、最大都市ポートランドの南側にあるウィラメットバレーと呼ばれる地域はブドウの栽培に適した条件が揃っていることで知られています。オレゴン産ワインの約7割がウィラメットバレーで生産されています。

 オレゴン州には900を超えるワイナリーが存在しますが、カリフォルニア州やワシントン州のワイナリーと比較して特徴的なのは、生産規模を5000ケース以下と少なく抑え、品質向上を重視した小規模な運営が殆どという点です。

小規模で高品質なBeaux Freresワイナリー

地産地消というオレゴン文化

 ポートランドから5号線を南下し、ウィラメットバレー周辺を車で走っていると、おびただしい程のブドウ畑とヘーゼルナッツの木を目にします。全米で生産されるヘーゼルナッツの9割以上がオレゴン産です。またラズベリーやブラックベリー、ビールの原料となるホップもオレゴンの名産物です。

 オレゴン州民の口からも良く耳にするのが”Local Production for Local Consumption”(地産地消)という言葉です。地元の原産品にこだわるというスタイルで、実際に大手チェーンのコンビニやスーパーを覗いても「オレゴン産」と書かれたワインやチーズ、ヘーゼルナッツ、果物を数多く見掛けます。他州にある同系列の店舗ではあまり見ない光景です。

 ポートランドのスローガンとなっている”Keep Portland Weird”(ポートランドは変わり者のままでいよう)も、独自の価値観を大切にし、流行に流されないという発想で、地元愛を強く後押ししているように感じます。

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