「観光産業復活」に向けツーリズムEXPOジャパン開幕、来場15万人見込む

  • 2022年9月22日

 日本観光振興協会(日観振)と日本旅行業協会(JATA)、日本政府観光局(JNTO)が主催する「ツーリズムEXPOジャパン2022(TEJ)」が9月22日、東京で開幕した。東京での開催は4年ぶりで、TEJの開催自体も2020年の沖縄以来2年ぶり。9月21日と22日を業界日としてB2Bの商談や交流の場とするほか、一般日の23日と24日は国内外のデスティネーションや企業が消費者に直接アピールする。

オープニングセレモニーのテープカットには国土交通副大臣や大臣政務官、国連世界観光機関(UNWTO)幹部、全日空や日本航空など関連企業の経営者らが登壇した

 オープニングセレモニーで日観振会長の山西健一郎氏は、最近の入国制限の緩和方針や近く実施が期待される全国旅行支援に触れたうえで、「観光需要の回復に向けた狼煙をあげるとともに、あたらしい旅の形を東京から世界に発信することで観光産業の復活に向けた足がかりにしたい。(TEJは)そのための絶好の機会」と挨拶。

 今回のテーマは、観光業界がコロナ禍を乗り越え新しい観光の未来を切り開いていくきっかけとなるよう「新しい時代へのチャレンジ~リスタート~」に設定。コロナ禍で大きく変化した消費者の価値観や旅行のあり方への対応も意図しており、山西氏は「業界が一体となって再出発を飾るのにふさわしいイベント」と自信を示すとともに、「一般来場者にも旅の新しい形を提供し、ここ数年体感できなかった旅の素晴らしさを実感していただけるものと考えている」と語った。

東京ビッグサイト内会場の様子

 また、国土交通副大臣の石井浩郎氏は旅行観光産業が「長引く新型コロナの影響により依然として厳しい状況に置かれていると承知している」とした上で、「感染状況にしっかり配慮しながら国内外の観光需要の換気に向けて取り組んでいくことが重要」とコメント。国土交通省としても県民割事業の支援に加え、「感染状況の改善が確認できれば全国旅行支援を速やかに実施する」と話し、さらに「ワーケーションや第二の故郷づくりなど新たな交流市場の開拓にも取り組んでいく」と語った。

 展示会の出展コマ数は1215コマで、内訳は国内が554、海外が379、その他が282。参加企業・団体数は併催するトラベルソリューション展とGOOD LIFEフェア2022と合わせて1018社・団体。これについてJATA会長の髙橋広行氏は「目標を例年の7割程度としていたが上回ることができた。イン、アウト含め日本への期待の高さを実感している」と手応えを示した。業界日と一般日を合計して15万人の来場を見込んでいる。

 また商談会にはセラーが626人、バイヤーが554人参加し、合計5114件のセッションを予定。一方、JNTOによるVISIT JAPAN トラベル&MICEマート2022(VJTM)は、27ヶ国・地域の256人がバイヤー(うち200人はオンライン参加)として、日本全国の218社がセラーとして参加。こちらも約5000件のセッションが組まれている。JNTO理事長の清野智氏は「いよいよ日本も動き出したと実感していただける」と期待を語った。

 VJTMではあわせて来日した参加者にはFAMツアーも用意しており、文化や自然、歴史、トレッキングなどのアクティビティを体験してもらう予定。山形、新潟、石川、岐阜、長野など地方分散、より自然の豊富な方面を選択しているという。

日観振会長の山西健一郎氏

 また、今年はサステナビリティやSDGsにスポットライトを当てたことも特徴で、会場内には特集企画展示を用意したほかシンポジウムなどでもテーマに設定。22日には全日空代表取締役社長で定期航空協会会長の井上慎一氏が「‘さあ 未来の空へ’ 持続可能な航空業界への挑戦」と題して基調講演を実施した。さらに資料のデジタル化や印刷する場合の環境負荷軽減、イベントで使用される光熱水量の削減にも取り組んだほか、会場ではSDGsをテーマにしたデジタルスタンプラリーも企画している。

 このほか、会場の特集企画展示では「新しい旅の形」を反映するアドベンチャーツーリズムやスポーツツーリズム、ワーケーション、ドライブツーリズム、星空ツーリズム、酒蔵ツーリズムも取り上げた。

 なお、2023年のTEJは、2025年の大阪・関西万博を前にインテックス大阪に会場を移して10月26日から29日に開催予定。