「APUで学んだ人たちが世界を変える」、立命館アジア太平洋大学が「サステイナビリティ観光学部」を開設
立命館アジア太平洋大学(APU)は9月12日、2023年4月に開設する「サステイナビリティ観光学部」に関する記者発表会を行い、特徴や所属教員などを発表した。新学部は「アジア太平洋学部」「国際経営学部」に次ぐ3番目の学部で、国内では初めてサステイナビリティ観光学を学べる学部となるという。350名を定員とし、国際学生は既に出願を開始。国内学生も9月末より出願を開始する。
挨拶に立った学長の出口治明氏は、「『サステイナブルであるものは観光であり、また観光であるものはサステイナブルである』が新学部の理念。社会・地域にある持続可能な営みに光を与えることが観光となり、また一過性のものは真の意味で観光と呼ぶことはできず、持続可能であってこそ観光と言える」と語った。
副学長の米山裕氏は「今までの20年間で、APUは圧倒的な多文化協働学修環境の実現により、実践力のあるグローバル人材を育成してきた。第2の開学を迎えるにあたり、2030年を目指して取り組む目標『APUで学んだ人たちが世界を変える』を実現すべく、その柱の1つとして本学部を開設した」と説明。「特にSDGsに関しては人類が今後長い時間をかけて取り組むべき課題であり、かつ足元の喫緊の課題でもあるため、それを担える人材を育成していきたい」と意欲を示した。
同じく副学長で、サステイナビリティ観光学部の学部長に就任予定の李燕氏は、「新学部には社会課題解決という使命がある」と前置きしたうえで、持続可能な社会に必要な要素として「環境」「社会」「経済」「文化」の4つを挙げ、従来は理工学系アプローチが主流だったサステイナビリティ学を、文系アプローチで実社会の問題解決を探求する学問としていく考えを示した。一方で、ICTを専門とする教授も多く採用し、文系学部だがデータサイエンスの教育にも力を入れていくという。
新学部では、サステイナビリティ学と観光学、また双方を統合し、「環境学」「資源マネジメント」「国際開発」「地域づくり」「社会企業」「データサイエンスと情報システム」「観光学」「ホスピタリティ産業」「観光産業」の9つの専門科目を設置。海外でのフィールドスタディや国連世界観光機関(UNWTO)でのインターンシップを通じて産学官連携での社会課題解決型学修を進めることで、学問的実務家を育成していく。将来的にはUNWTOなどの国際機関や国際金融機関、総合商社などグローバルなフィールドや、不動産デベロッパーや鉄道会社、観光地域づくり法人など国内外の地域レベルで活躍する人材を輩出していく考えだ。