業界ニュースを振り返る ー 副業をしないのは最早個人にとってリスクかも
今週一番人気の記事はラビスタ東京ベイのフォトニュースだったのですが、フォトニュースだと私が触れられることは残念ながらほとんどないので、次回のトビィ抽選会で宿泊チケットが出ることを期待して2位の記事にいきたいと思います。
2位は石垣市市長中山氏へのインタビュー記事でした。読んでみて特に気になったところは、まず石垣市の国内観光客は今年で2019年の数値にほぼ近づく予測であるということ。各観光地の特性によって戻り方は違いますが、それでも非常に明るい予測です。一方で県内の旅行割制度による恩恵はほぼなかったことも気になるところで、地域によって恩恵の受けやすい・にくいがあるのは当然といえば当然ですが、非対称性も気になるところです。また、サスティナブルな旅行に関してもすでに対策を考えられており、今後先進的な旅行施策を行政として打たれるのかも注目です。
ですがなんと言っても注目は、行政規模でないと実現できない人手不足対策です。「観光産業の人手不足だ→だから観光産業をこう変えよう」というスケールの話であれば業界団体にも策が打てますが(打っているとは言いませんけれど)、保育所を作り、保育士を確保する施策を打つことで保育所で子供を預かれる範囲を広げ、結果として短時間勤務を可能にするというダイナミックな施策。こういった施策は行政にしか打てません。人材不足の今、こういった方法で観光産業の人材を集める行政がたくさん出てくると、業界の給与水準は福利厚生の平均が上がっていくのでしょうね。
もう一つ、個人的にも気になるのは労務のいろはで、今回は副業に関してです。私自身、今まさにこの原稿を書いているのは副業なわけですが、今後副業というのは更にメジャーになっていくだろうと思っています。以前の記事でホワイト・ベアーファミリーの近藤氏も「旅行事業をやるにしても会社としては何か違う柱が必要」と仰っていますが、これは個人に関しても同じことが言えると思います。個々人も、旅行業にしか活きないスキルだけを磨くのはやはり一定のリスクを孕む以上、他のスキルを身につけるのはリスクヘッジとして良い手段です。それが今の社内でやれれば一番でしょうが、皆が皆そうもいかない以上、副業というのは収入もある良い方法です。もっとも、他業界で副業してみたら圧倒的に収入がいいし、と旅行業界から人材が流出していく危険性はかなりある気がしますが、そんなことは経営者や業界のお偉方に考えていただくことで、一労働者としては待遇が良い方へいく権利が当然ありますし、それが業界の健全化にも繋がるのでしょう。理想は副業で学んだことが本業に還元されることなんでしょうが……