DFS、円安の逆風に工夫で対抗、旅行会社との協業にも期待-沖縄は急回復
DFSグループリミテッド日本・韓国・ミッドパシフィック代表取締役社長のリチャード・グスタフソン氏はこのほど、ユナイテッド航空(UA)のサイパン線就航記念レセプションの場で日本の旅行メディアの取材に応じ、担当するサイパンやグアム、沖縄などの現状と今後の展開について説明した。
同氏はUA便について、「待ちに待った便でありがたい。日本は過去には年間50万人もの方々が訪れていた市場であり、今後に期待したい」とコメントした。
現状としては、サイパンもグアムも店舗面積の3分の2まで営業を再開しており、営業時間は短縮しているもののラグジュアリーブランドもほぼすべてが戻ってきている状況だ。
ただし、来客や販売の動向では、中国、韓国、日本の3つの重要市場のうち韓国のみLCCが牽引して少しずつ動きはじめているものの、中国はほぼ止まったままで、日本もUA便の就航でスタート地点に立つ段階となる。
DFSにとって回復に向けた最大の課題は円安で、需要喚起策としてサイパンでは円安の一部を吸収するキャンペーンを実施しており、グアムにも展開を予定しているところ。また、日本人旅行者に人気の高いブランドや価格帯の商品も充実しており、需要獲得に繋げたい考え。
今後についてグスタフソン氏は、旅行会社に対しても円安の逆風を乗り越えられるパッケージの造成を働きかけていきたいとし、旅行業界各社に協力を訴えた。
なお、サイパンとグアムとは対照的に沖縄は非常に好調に推移しており、購入客数はコロナ前の水準には戻っていないものの購入額は2019年水準を突破。1人あたりの単価は倍増しているといい、グスタフソン氏はこれについても「円安の影響が大きい」と分析しつつ、リベンジ旅行の意欲の高さも見られると指摘した。