アフターコロナの体験アクティビティ予約に見出す勝機-KKdayグループ日本支社長 大淵公晴氏
インバウンド、海外、国内でナンバーワンを目指す
大淵 はい。クールジャパン機構(CJF)からは、アジア最大規模のオプショナルツアー予約サイトとして評価され出資を受けました。CJF以外も含めこれまでに総額1.27億ドル以上を調達しています。
大淵 アクティビティ分野はホテルのようにシステム化が進んでいない面があるため、自動化している部分とアナログな部分が混在しています。ただしKKdayは体験型アクティビティ事業者を対象とした基幹システム「rezio」を開発済みで、すでにグローバルで1500社以上、国内でも600社以上が導入しており、この分野におけるDXにも貢献できると考えています。
「rezio」の導入事業者には旭山動物園をはじめ水族館や博物館・美術館もあります。こうした観光施設の入場チケットや、イベント系チケットの取り扱いも今後は強化したいと思います。既存のチケット販売業者は手数料率が高いため、技術革新に伴いイベント主催者やアーティストのファンクラブが参入したり、コロナ禍で求められるチケット確認方法や入場方法などのデジタル化を進めざるを得なくなったりしたことで、チケット販売に関わるプレイヤーの顔ぶれが変わってきています。その意味でも参入チャンスがある分野だと考えています。
大淵 大変難しく明確には言えませんが、グループ各拠点からの問合せ状況を見る限り、日本旅行への期待は盛り上がっています。中国については全く見えないので予想からは除くとして、少なくとも台湾、韓国、タイなどからはニーズの高まりを感じ取れます。
大淵 アウトバウンド、インバウンド、国内の3方向とも強化すると説明しましたが、目標は2025年までに3つの分野トータルでナンバーワンになることです。また新たな分野として売上が2倍、2.5倍といったペースで拡大するチケット販売にも期待しています。
大淵 旅行需要は必ず戻って来ます。人間の本能的な部分につながっていますから。コロナ禍になって通信サービス事業など多くの産業が様変わりし、リモートワークなど働き方も変化しましたが、訪れたことのない場所で知らない物事を肌で感じたい、触りたいという感情はなくなりません。この感情をコロナ禍後にどう盛り上げて定着させていくか、旅行産業としてとても重要なことだと思います。
サイトへのアクセス動向を見ても、台湾や韓国、ベトナムなどアウトバウンドへの関心も高まっています。インバウンドについても、各国の拠点からは「日本の商品造成を急げ」、「日本の拠点はしっかり人員を確保しているのか」等の問い合わせがとても多く、注目度の高さを感じます。国境が本当の意味で開かれたときには、こうした需要が押し寄せてくるでしょう。そこできちっとサービスを提供できるための準備を整えておくことが今、求められていると思います。