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豪州の「今」を駐在員の視点から-深刻化するホスピタリティ産業の人手不足

  • 2022年8月29日

 オーストラリアは事実上のゼロコロナ政策から、劇的にコロナとの共存に方針を転換、厳しい出入国制限は廃止され、現在はコロナ以前と同じように日本からオーストラリアへ観光旅行に行くことが可能となっています。国境再開当初の訪豪旅行者の中心は、中長期の留学生、ワーキングホリデーメーカーでしたが、ここ最近は、学生の語学研修、添乗員付きの観光旅行の団体も見かけるようになってきました。

 オーストラリアにおける新型コロナウィルスの現況、深刻なホスピタリティ産業の人手不足、ホテルにおける感染者のチェックイン拒否の問題点を現地よりお伝えします。

新型コロナウィルスの現況

 オーストラリアでは、7月に入って「BA5株」の感染拡大に見舞われましたが、7月21日の1日あたり新規感染者、約5.5万人を境に減少傾向に転じました。8月18日の1日あたり新規感染者数は約1.7万人ですが、これは2022年の1日あたりの新規感染者数では最も少ない人数となります。

 屋外でマスクを着用している人はほとんどいませんが、屋内施設ではシドニー中心部で2割から3割、郊外、ゴールドコースト等地方では1割弱が着用しています。シドニー中心部のマスク着用率が高いのは、コロナ初期よりアジア系の住民の方がマスク着用率が高く、シドニー中心部はアジア系の住民が多いためと考えられます。

 シドニーの公共交通機関ではマスク着用が現在も義務付けられていますが、着用している人は6割程度となってきており、BA5株に対する警戒感も薄れつつあります。ニューサウスウェールズ州では、公共交通機関でマスク未着用の場合、18歳以上は500豪ドル、16歳から17歳は80豪ドル、15歳以下は40豪ドルの罰金が設定されており、以前は警察官による取り締まりも行われていましたが、最近はあまり聞かなくなっています。マスクをしていなくて乗車拒否された、といった話も聞いたことはありませんし、市バスのドライバーにはマスクをしていない人もいます。

 ワクチン接種は2回目の完了者は16歳以上人口比で96.2%と高くなっていますが、3回目完了者は同71.6%に留まっており、2回目までと比較してペースダウンしています。

シドニーのタウンホール周辺。屋外ではマスクを着用している人はほとんどいない。

シドニー市内のクイーン・ビクトリア・ビルディング内。海外からの観光客が多く訪れていた観光スポットだが、まだ海外観光客が本格的に戻っていないことから、コロナ前と比較して若干寂しい感じ。

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