旅行会社の数字への意識、変えるなら今-RT Collection 柴田真人氏
第20回目のコラムは、旅行会社の「数字への意識」をテーマに書いてみたいと思います。
ここ最近、日本帰国前のPCR検査で陽性反応が出てしまい日本に帰国ができないニュースや、現地延泊分のホテル代が数十万円かかったなどのニュースを見ることが多くなりました。旅行者自身はそのリスクを承知の上で海外旅行をしているものの、そういった事実を改めて知ると「海外に行くからだ」とか「こんな時に旅行をするからだ」というような海外旅行に対してのネガティブな印象がまだまだ残るだろうなと感じてしまいます。「海外旅行に行こう」や「次の休みは海外旅行へ」のようなポジティブな印象に1日でも早く変わってほしいものです。
モルディブへの日本人渡航者の推移
私はモルディブのお仕事を長らくさせていただいており、コロナ禍におけるモルディブへの日本人渡航者数を毎月チェックするようにしています。モルディブといえば、どの他の国よりも早く国境を再オープンした国の1つですが、そんなモルディブへの現在の日本人渡航者数は、次の通りです。
月 | 2021年 | 2022年 |
---|---|---|
1月 | 45人 | 114人 |
2月 | 46人 | 119人 |
3月 | 71人 | 243人 |
4月 | 62人 | 501人 |
5月 | 65人 | 313人 |
6月 | 11人 | 409人 |
7月 | 46人 | 758人 |
Maldives Immigrationより引用
2021年と比較をすると2022年は日本人旅行者のモルディブへの渡航者数が増えており、状況は少しずつではありますが良くなってきていることがわかります。しかしコロナ前の2019年のモルディブへの日本人旅行者数は年間約4万5000人、単純計算で1か月当たり3750人だったことを考えると、2022年7月の758人という数字では20%ほどしかマーケットが戻っていないということになります。まだまだ先の長い道のりだなと感じています。お隣の韓国はコロナ前のモルディブへの旅行者数は年間約3万7000人で日本人旅行者よりも少なかったですが、2022年7月のモルディブへの渡航者数は日本人旅行者よりも遥かに多い2744人となっています。
サプライヤーに数値目標を伝えていますか?
前置きが長くなりましたが、本題です。旅行会社はツアーの造成や企画をする時に各サプライヤーから契約料金を取り寄せたり、サプライヤーとプロモーションの打ち合わせをする仕入れ業務があります。皆さん、その際に各サプライヤーに対して数値目標をしっかりと伝えていますか?そして、半期や年間の実績をもとに振り返りや販促の検証を行っていますか?
次ページ >>> 数値目標を伝えることの重要性