地域に分け入るJAL社員たち~福岡県編~
豊かな自然を次の世代へ、海洋保全にも力を入れる宗像市
伝統工芸を活かして「何度も訪れたくなる町」に、福智町
客室乗務員や業務企画職など、幅広い職種の社員が各都道府県の自治体等に出向している日本航空(JAL)。シリーズ「地域に分け入るJAL社員たち」では、出向者と自治体の担当者、それぞれの目線で地域の魅力や課題、相互への期待などを語っていただくことを通して、ポストコロナに向けた地域創生を考えていく。
福岡市と北九州市の中間に位置し、由緒ある神社や寺院が点在する世界遺産のまち宗像市と、内陸部の福智山の麓、都会ともほどよい距離にある福智町。九州の玄関口として国内外から多くの人が訪れる福岡県で独自の存在感を放つ2地域の魅力を聞いた。
福岡県宗像市
総務部秘書政策課 砂田さやかさん
出向するまでは、宗像市といえば、古くから守られてきた伝統、文化、そして美しい海と豊かな自然に囲まれた、歴史ある落ち着いたまちという印象でした。働き始めて感じたのは、”人”も”まち”も、とにかくアクティブ!! 昔ながらの風景・伝統も守りつつ、新たな宗像のシンボルとなる場所や活動の場を作るなど、「住みたい、住み続けたい」と思われるまちづくりに対する自治体・企業、市民のみなさんの想いとパワーが溢れていました。
なかでも他にない面白い取り組みは、団地再生プロジェクトから生まれた「ひのさと48」です。古くなった団地1棟をリノベーションして、クラフトビールの醸造所や地産地消を楽しめるコミュニティカフェ、保育園など様々な事業者が入り、地域の会話を生む場所として生まれ変わりました。
『地域の方に愛される場所を、地域のみんなでつくる』素晴らしいまちだと感じています。
宗像の美しい海や豊かな自然は、古代より信仰を育んできた宗像の人々によって守られ受け継がれてきたものです。今、世界的に地球温暖化や海洋ごみの問題が深刻であり、宗像市にとっても例外ではありません。市ではこの豊かな海を次世代の子どもたちへ残していくため、「Save the Sea」を合言葉に海の環境保全に力を入れており、市民団体や企業と共に、ビーチクリーンや子ども達への啓蒙活動を行っています。また、活動を応援してくださっている企業と共に、昨年度は「海洋プラスチックごみ(ポリタンク)」を「買い物かご」へとリサイクルするプロジェクトをスタートするなど、活動の幅を広げています。
海洋ごみの問題は宗像市だけで解決できるものではありませんが、このような活動を広く発信し、共感人口を増やしていくことが広報としての大切な役割だと考えています。
総務部秘書政策課係長 赤田篤史さん
1600年前の神宿る島を崇拝する伝統が今日まで継承されてきたことを物語る世界遺産「”神宿る島”宗像・沖ノ島と関連遺産群」が、今年で登録5周年を迎えます。沖ノ島で発掘された奉献品約8万点はすべて国宝に指定されており、宗像大社・神宝館でその一部をご覧いただけます。
宗像の食といえば、やはり海産物。市内には5つの漁港があり、夏のアナゴ、冬のトラフグは絶品です。特に、鮮度が落ちやすいアナゴを刺身で提供するのは産地ならではです。
新たな特産品は、団地をリノベーションした施設「ひのさと48」で醸造するクラフトビール「さとのBEER」。宗像産の麦を使って地元の素材と掛け合わせたオリジナルビールは、世界的コンクールで賞を受賞するほどです。福岡空港の売店BLUE SKYでも購入可能ですが、人気商品のため、売り切れのときはぜひ「ひのさと48」へ。
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