タイ国際航空、「最重要収益源」の日本で貫く攻めの路線増強

  • 2019年5月13日

LCCの猛追には「価格差以上の魅力」で勝負
仙台や広島への就航に大きな関心

-日泰路線にはLCCも多数乗り入れていますが、LCCとの競合についてはどのようにお考えですか

キッティクン氏 キッティクン タイのLCCは成田や関空だけでなく、中部、福岡にも就航しており、確かに競合する部分はある。しかし価格だけを見れば手強いが、TGはタイのフラッグキャリアであり、FSCとしてよりプレミアムな客層にアピールできる。

 1万円や1万5000円の価格差を超えて、消費者にバリュー・フォー・マネーを感じてもらえる品質には自信がある。機内食にしても機内エンターテイメントにしても、あるいはマイレージプログラムにしても、価格差以上の魅力があると考えている。

 使用機材に関しても、大型機のA380型機やB747型機に加えて、A350型機、B787型機といった最新の機材を日本路線に投入しており、日本の旅行者に快適な空の旅を提供できる体制を整えている。

WEのA320型機  LCCについて言えば、グループ内にはFSCとLCCの中間的ポジションの「ハイブリッド・エアライン」として100%子会社のタイ・スマイル(WE)がある。国内線の多くと、マカオやシェムリアップ、ジャイプールなど所要3時間から4時間程度の短距離路線はWEが運航し、中長距離路線はTGが運航するという役割分担ができつつある。WEもスワンナプームを拠点としており、TGとの乗り継ぎの利便性は高い。

 今のところ、日本路線についてはバンコク以外への就航は検討していないので、WEとの連携を深めて日本でも積極的な販売を展開していきたいと考えている。なお、約22%を保有しているLCCのノックエア(DD)の株式については、将来的には売却することになると思う。

-日本路線は好調でも、18年の業績では赤字が拡大しました。日本路線への影響はないのでしょうか

キッティクン 赤字の要因はヨーロッパ路線やオーストラリア路線、そして中国路線などによるもので、TGにとって最重要の収益源である日本路線に悪影響が及ぶとは考えにくい。むしろ日本路線への投資は今後も強化する方針で、例えば7月からはデイリー運航中の福岡線を週10便に増便する予定だ。また、機材繰りの調整がつけば、関空線も増便したいと考えている。

-ありがとうございました