トップインタビュー:トラベルポートジャパン代表取締役社長の東海林氏[PR]

旅行産業の新たな価値創造をスマートテクノロジーでサポート
トラベルポートGDSとして世界最大シェアのガリレオを10月から日本市場に導入

-環境が大きく変化している旅行・観光産業の現状について、どう分析していますか

東海林 アウトバウンドとインバウンドを合わせて4000万人を大きく超える規模があり、ますます成長が期待される日本市場は、アジアを中心とした外資の注目を集め、参入が加速していくはずだ。それを機に日本も世界のトレンドに沿った市場へ移行してくだろう。世界のトレンドとはつまり、モバイルデバイスあるいはオンラインを通した旅行商品の流通拡大だ。

 また世界の旅行人口は10億人に達し、旅行・観光産業には世界的に大きな期待がかかる。したがって旧来型の旅行事業に限らず、そこにビジネスチャンスを見出す世界中のさまざまな企業がこの分野に進出しており、いずれは日本市場にも参入してくることになる。

 旅行・観光産業をめぐる市場は、既存の旅行関連企業にとって有望であるだけでなく、グーグルやアマゾンのようにITテクノロジーを利用することに長け、先端的な技術を持つ企業の目にも、極めて魅力的な分野として映っているはずで、そういう意味でも外部からの参入が増えると考えられる。

 こうした変化を背景に旅行会社のビジネスも変化する。旅行会社のビジネスはこれまで、サプライヤーである航空会社、ホテル、レンタカー会社の商材を流通させることへの比重が高かったように思える。しかし今後は旅行の体験や経験を通じて価値を創り出していくためのサービスがますます重要になってくるはずだ。単なる素材の寄せ集めではない、メーカーとしての知見を駆使した旅行商品を設計し、旅行者にわくわくする旅行体験を提供できる能力が求められるようになる。

-そうした環境の下でのトラベルポートの役割とは

東海林 最先端のスマートテクノロジーを駆使した技術開発をおこなっていくためには巨額の投資が必要となる。たとえば航空会社の研究開発費の1年分が、グーグルの研究開発費のわずか1日分と言われるほどで、もはや大手旅行会社や航空会社であっても単独では技術革新についていけず、大手IT企業には対抗できないのが現実だ。そうした状況にあってトラベルポートは、旅行・観光業界のテクノロジー・パートナーとして機能していくことが可能な立場だ。

 トラベルポートは一般的にGDS企業として認識されている面が大きいが、我々自身は「Redefining Travel Commerce」、つまり旅行業を再定義する企業であると考えている。あるいはスローガンとして「The Power of The Platform」を掲げ、新しい時代の旅行ビジネスの構築に貢献することをめざしている。そして常に「Intermediary」、つまり仲介役であろうと考えている。

 仲介役とはプラットフォームを提供することによって、航空会社やホテル、レンタカーといったサプライヤーと、旅行会社あるいは消費者を仲介すること。またサプライヤーが直接、旅行会社や消費者に商品やサービスを提供する場合と比べて、より価値のあるものを提供できるように仲介することだ。それをスマートテクノロジーにより実現していくのがトラベルポートの使命だと考えている。