パリ市長が来日、日本市場の回復を強調-JATAと意見交換
▽旅行各社も回復を実感、田川氏は「再発見」に意欲
JATAからは、会長の田川博己氏や副会長の菊間潤吾氏など12名が意見交換会に参加した。田川氏は、日本人の回復基調を踏まえて「17年はフランスやパリを改めて知り、観光素材を見直す良い機会」とコメント。2月にJATAが立ち上げた「アウトバウンド促進協議会」についても触れ、「協議会の最大のテーマのなかにパリ(の回復)がある。また、フランス全体をもう一度再発見したい」と述べた。
菊間氏は1月から4月までのフランスへのパッケージツアーの参加・予約人数が昨年の約2倍で推移していることを説明。フランスへの送客について「旅行業界の雰囲気も前向きに変わってきた」と語り、特に地方都市を訪問するツアーが順調に伸びている旨を語った。
また、パリについては「特別感があるツアーであれば、お客様は抵抗感なく参加している」と語り、一例としてラグジュアリーホテルの間をシトロエンの小型車「2CV」で移動するプランが好評だったことを紹介。「パリ市から特別なプログラムの提案をしてもらえれば商品化していきたい」と意欲を示した。
グローバルユースビューロー代表取締役会長の古木康太郎氏は、「観光庁のアンケートによれば、日本人が海外に行かない最大の理由は治安の問題」と語り、引き続き治安対策を強化するよう要望。エイチ・アイ・エス(HIS)関東業務事業部グループリーダーの福井茂氏は「非常事態宣言が解除されたら、ぜひ大々的にメディアに発表して欲しい。(旅行者を取り戻す)大きなきっかけになる」と話した。
ミキ・ツーリスト取締役執行役員の今野淳子氏も、1月から3月にかけて同社が取り扱った訪仏日本人の宿泊の数が、16年の約2倍となったことを説明。ただし「15年比では半分で、まだ15年のレベルまで戻っていない」と語った。その上で、「美容や飲食関連の専門学校などの団体旅行を取り戻したい」と語り、大型の団体ツアーが市内をスムーズに移動できるよう協力を求めた。