農山漁村に訪日客を、グリーンツーリズムの現状と課題-EXPOより
官民連携で受入体制を強化
旅行会社は「販売力」の発揮求められる
農家の日常を楽しむ訪日客の姿に喜び感じる
行政には「民宿営業始めるハードル下げて」
続けて、山形県飯豊町中津川地区にある農家民宿「いろり」と、宿泊者が食事をする農家茶屋「いろり」で女将を務める伊藤信子氏が登壇し、プレゼンテーションをおこなった。飯豊町では、2007年に8軒の農家が「なかつがわ農家民宿組合」を設立し、教育旅行の受け入れを開始した。
なかつがわ農家民宿組合では受入環境の整備として、民宿までの案内看板の作成や、男性1人でも受け入れができるように「男の料理教室」を実施。体験プログラムは組合員の個性を活かし、例えば民宿「中村」ではマタギファッション体験として、熊の毛皮とかんじきを身につけるプログラムなどを用意する。
訪日対応の現状としては、昨年同組合で受け入れた旅行者数は1200名で、そのうち180名程度が外国人旅行者。受け入れの際には文化の違いなど戸惑いはあるものの、「言葉が通じなくても、提供した料理を抵抗せずに食べてくれて、私達の日常的な生活文化を楽しんでくれた」ことが「何より嬉しかった」という。
伊藤氏は今後も、人手不足などの課題を解消した上で受入人数を増やしていきたい考えで、実際に農家茶屋でも宿泊ができるよう簡易宿所の営業許可を申請した点を紹介。その際に感じた課題として、手続きに「面倒なことが多く困った」と語り、行政に対して「許認可をもっと簡単にもらえれば、(農家民宿を)やってみたい人が増えるのではないか」と提案した。