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トップインタビュー:デルタ航空日本支社長 森本大氏

日本人向けサービス大幅拡充へ
旅行会社との協業に強い意欲

-旅行会社との関係についてどのようにお考えでしょうか

森本 DLと旅行会社との関係は非常に良好であると入社以来強く感じている。クラブメッドにいた際には旅行会社の立場から航空会社を見ていたし、一般のお客様から旅行会社がどう見られるかということも体験しているが、やはりお客様がどういう風に旅行を選ばれるかということを考えると、旅行会社の果たす役割は大きい。特に日本市場においてはそうだ。

 私はDLと旅行会社が共同で市場を育てていく、あるいはお客様にアプローチするなど、積極的に旅行会社とビジネスをしていくことが、今のDLにとって良い姿だと思う。

 直販は、世の中の流れがあり、お客様のニーズも多少はあるのでしないわけではないが、優先順位というか、注力すべき点としてはやはり旅行会社とビジネスをする方がいいと考えている。


-もし旅行会社を経営するとすればどのようにされますか

森本 難しい質問だが、旅行会社の経営者の方々が現在お考えになっている方向性と大きく異なるようなことはないだろう。デスティネーションを開発する、あるいは素晴らしい観光地、観光資源が世界に多数ある中で、それを本当によく知っているのがプロだと思う。

 本やテレビでもある程度はわかるが、現地での交通アクセスや安全性、あるいはそこに行くまでにどう航空会社をつないでいくか、ということになるとわからない。同じ場所を毎年リピートするなら別だが。実際には多くの方が旅行会社のサービスでベネフィットを得ていると思う。そこを磨いて、より旅行の満足度をあげていくべきなのではないか。


-満足度の向上について、具体的な案があればお聞かせください

森本 なかなか知られていないところを旅行会社が紹介するというのもあるだろう。アメリカですら、日本人の駐在員が行くアメリカと日本からの観光客が行くアメリカが違うという話が良くある。私も住んでいたことがあるが、アメリカにある程度長く住んでいる日本人が必ず行きたいと思う場所に、日本人の旅行者が行けていない現実もある。

 このようにアメリカですら相当に可能性はあって、航空会社がそれをどれだけ売り込めるのかということを考えると、旅行会社がそこを開発して航空会社がそれを後方支援する方が、全体のパイは大きくなると思う。

 DLとしてもこれから取り組んでいくことではあるが、航空会社の役割も大きい。例えばイエローストーンにしても、どう行くのが一番良いのかというのは、ネットワークやスケジュールの組み方によって大きく変わる。旅行会社がここを開発したいというところに、いかにアクセスよくお客様をお連れするかというのは我々の役割。両者で議論しながら考えていきたい。


-ありがとうございました