HIS澤田会長のアジア戦略、大旅行時代への対応-新航空会社の可能性も
クルーズ事業でアジア需要拡大
HISグループでは、ハウステンボスへのアジアからの誘客を見据え、HTBクルーズを就航した。澤田氏によると、ハウステンボスへの誘客をはかる際、アクセスの利便性が課題とあがり、「足を増やすと考えた時、東京より近いのは上海」との考えたのだ。
2月29日に運航を開始した旅客船「オーシャンローズ」の初便は、天候の影響などで18時間遅延して上海に到着。集客についても上海での知名度が低かったため厳しい状況になるとの見方だ。ただし、「初めの3ヶ月はテスト航海」との考え。オーシャンローズは6月にドック入りして整備、改装を実施する予定で、その後夏に向けて本格的に展開していく方針だ。
また、澤田氏は6月の点検、改装の際、オーシャンローズにカジノを搭載する計画を明かした。同船はパナマ船籍であるため、公海上でのカジノが可能だという。カジノの運営などは専門業者に委託し、HISは「場貸し」の形を取る。そのほか、船内エンターテイメントも充実させる計画で、「ローコストエンターテイメントシップ」として引き続き展開していく。
さらに澤田氏は「来年の今頃、うまくいっていたら2隻に船を増やしたい」とし、HTBクルーズが成功すれば、「近い将来にアジア全域で走らせたい」考え。就航を検討している地域として台湾や大連、ベトナムをあげ、クルーズ事業の展開によりアジア市場の旅行需要拡大をはかる考えだ。