HIS澤田会長のアジア戦略、大旅行時代への対応-新航空会社の可能性も
自社チャーター便活用に自信
新航空会社設立の可能性も
また澤田氏は、需要は高いが座席やIT運賃の確保が難しいデスティネーションに対し、自社チャーターを活用していく方針だ。旅行会社の課題として、航空会社がIT運賃の供給量を絞るためPEX運賃で商品を造成せざるをえない状況や、ゼロコミッション化、繁忙期の座席確保の難しさをあげる。澤田氏はHISの日本支店、海外支店の集客力の拡大で「HISで1機チャーターを埋める力は付けた」と自信を示した。
ジェットアジア・エアウェイズ(JF)によるタイのチャーターでは、2月、3月の搭乗率が90%以上と好調に推移。タイの成功を受け、他の地域へのチャーター便についても検討しており、「準備は着々に進めていく」考えだ。
さらに、新たな航空会社運営の可能性にも言及。国内、海外含め「航空会社から一緒にやってくれ、という招聘はある」とし、若手スタッフを中心に航空会社をやりたいという機運があることから「可能性はある」と述べた。ただし、LCC全盛期で各社の競争が今後泥沼化するとの予想のもと、参入は厳しいと見方だ。「LCCはやるつもりはない」が、春秋航空(9C)と販売面で協力するなど、協力体制は継続していく。澤田氏は、詳細はまだ明かせないとしながらも「やるなら次の時代を担うような新しい航空会社をやりたい」考えを示した。